アクティブサポートは簡単そう? 誰でもできるけど、誰でもできない
アクティブサポートは一見すると簡単で、誰にでもできそうです。ツイッターで自社のブランド名を検索をして、疑問や不満をつぶやいている人に話しかければいい――たしかにそうです。
ただ、簡単だけど簡単じゃない、その微妙なニュアンスを受け取っていただきたいのです。たとえるなら、誰でもボールは投げられるけど、ストライクを入れることはとてもむずかしいように。
ですから、みなさんは実施に向けて会社を動かすと同時に、「やるべきだけど、すぐやらずにしっかり準備を」ということも訴えてほしいのです。『Twitterアクティブサポート入門』では、準備に1ヵ月半程度をかけるように書いています(具体的なトレーニングマニュアルも書いてあります)。
企業が取り組む以上、担当者の思いつきレベルではじめるのはリスクでしかありません。継続性と安定性を担保することは責任であり、義務です。誰かが休んでもいいように、誰が対応しても変わらないようにするためには、入念な準備をしなければなりません。少なくともアクティブサポートを担当する数人が、同じレベルで対応できるようになるまでは実施できません。
そのためにはマニュアルやガイドラインをつくる必要もあるでしょうし、トレーニングのカリキュラムも用意したほうがいいでしょう(ちなみにこうした社内トレーニングのノウハウもコールセンターにはすでにあることが多いので、彼らに協力してもらうのがよいでしょう)。
また、コールセンターのスタッフはみなさんと比べるとソーシャルメディアの知識や経験がない人が多いので、ツイッターの説明やツールの使い方についてはぜひ教えてあげてください。
そうして、一緒になってアクティブサポート実施のための準備に取り組んでほしいのです。ただし、最終決定はコールセンター側に任せるべきです。はっきりいえばそこで意地をはったり、(仮説にすぎない)持論を主張する必要はないのです。
顧客とのコミュニケーションにおいては、カスタマーサポートの現場のほうがすぐれています。それを認め、信頼して任せましょう。アクティブサポートがうまく実施されれば、あなたが取り組むほかのマーケティング施策にも必ず追い風になるはずです。だから徹底的に支援者としてふるまってください。
