年間2,155万人が利用するカラオケチェーン「ジャンカラ」
1986年設立のTOAIは、カラオケ事業の「ジャンカラ」を主力ビジネスとして、オンラインカラオケアプリ事業、買い物代行サービス事業、フィットネス事業など多角的な事業を展開している。グループビジョンは「素晴らしい『体験』を、世界中のお客様に」。
主力事業の「ジャンカラ」は西日本を中心に、年間2,155万人が利用するカラオケチェーンとして、現在200店舗を運営。ジャンカラブランドとして、「ジャンカラ」「スーパージャンカラ」「ジャジャーンカラ」「セルフジャンカラ」と4つのブランドを展開している。
ジャンカラが特に力を入れているのがアプリの活用だ。公式アプリを使えば、部屋予約、楽曲予約、受付、飲食オーダー、決済まで全てをスマートフォン上で完結できる。入店から退店まで人と会わずにカラオケを楽しむことができるのが特徴だ。現在のアプリ会員数は888万人にのぼり、そのうち6割を女性が占めている。

「顧客体験を最大化するために、グループ戦略としてジャンカラアプリのようにIT・デジタルへの積極的な投資に注力しています。特に、データ活用は重要な要素だと考えています」(渡邉氏)
前回の挫折を教訓に、体制を再設計
元々TOAIでは、経営層としても「データ活用を推進したい」という強い意志があった。そこで約3年前に一度プロジェクトをスタートさせたが、成果を出せずに頓挫した経験がある。今回はその反省を活かし、約1年半前からインキュデータの支援を受けて再始動した。
渡邉氏によると、今回のデータ活用プロジェクトには、大きく3つの目的があるという。
1つ目は、「経営とマーケティングの高度化」だ。データドリブンな経営体制を構築し、マーケティングの質を高めることで、顧客体験価値の最大化を目指す。
2つ目は、「データ分析の業務効率化」。社内に散在するデータを統合し、分析可能な状態にすることで、手作業や専門部署への依頼に頼っていた分析業務の時間とコストの削減を目指す。
3つ目は、「データを活用した新たな収益源の創出」。“歌唱データ”などのカラオケ事業特有のユニークな資産を活用し、データ販売を含む周辺ビジネスの収益化を探索するというものだ。

