KPIの活用には多くの課題がある
日々、Webサイトを運用するにあたり、アクセス解析が売上や資料請求などのコンバージョン目標を達成するために重要なことは、既に誰もが認識していることだと思います。また、KPI(重要業績指標/key performance indicator)という言葉も徐々に浸透しつつあり、数値目標をしっかり意識して改善していくことも当たり前となりつつあります。
一方で、KPIの作り方や、KPIの活用の仕方がわからないという声も同時に起こっていて、次のような声を聞くケースが増えています。
- とりあえずKPIを策定したが、データが多すぎて結局どこをチェックすればよいのかわからない…
- 一生懸命、関係がありそうな数字を探し出し、問題意識を共有しても、次のアクションが分からない…
そんな悩みを解決すべく、今回はECサイト、リード生成系サイトを例にKPI設計の意味や、KPIを上手に活用するために重要な3つの視点をお伝えします。
【視点1】KPIを作る意味を理解する~KPIは共通のものさしである~
KPIは、漠然と作っても結局うまく活用できないことが大半です。まず大切なのは、KPIを作成する意味を理解することです。理解してはじめてKPIとして定義すべき数値や、改善を進めていくことが容易になります。
結論から言うと、KPIとは「組織内で共通で通じる“ものさし”」のことです。KPIを作成しても、なかなか理解してもらえないことが多いのは、たいてい「数字の意味がわからない」「自分の立場では関係ない」といったことが原因です。それぞれの業務内容や立場によって、施策の価値や効果を測るものさしは変わるのです。
ここで原点に返ってみましょう。共通のゴールやWebサイトの効果を測るための指標が「簡潔に」「わかりやすく」まとまっていれば、当然、誰にだって理解してもらえるはずです。今までKPI管理シートを作ってもうまく活用されなかったのは、ものさしのメモリが細かすぎる、もしくはものさしの単位が違う、つまり「簡潔でない」「わかりにくい」から理解されにくかったのです。
ものさしは、誰もがすぐ把握でき、すぐ使えることが一番重要です。アクセス解析ツールで簡単に取れる数字だけを追ったり、複雑怪奇なメモリや自分にしかわからない単位で作られていたのでは使えません。
KPIが複雑化してしまう原因は、あれもこれも数字を追いたくなることが挙げられます。ものさしの複雑化・巨大化によって、本当に毎月見なければいけない数字が埋もれてしまっては、KPIを決めた意味がありません。
「欲張らず、簡潔に、見やすく」という考えのもとKPIを決め、ものさし化していくことが最も重要なのです。