情報過多の時代に求められる情報提供のあり方とは
ブレインパッド社は、データマイニングや最適化といった数理技術のビジネスにおける適応範囲の拡大を通じて、クライアントのマーケティング活動を支援してきた。同社でセールス&マーケティンググループ マネージャーを務める佐藤氏は、マルチデバイスの普及によって、蓄積されるデータ量が膨大に増加している現状に対し、企業が対応しきれていないと指摘する。
「消費者は様々なデバイスを使って、起床から就寝まで、24時間インターネットにアクセスしながら、常に情報に囲まれた生活をしています。提供される情報量が消費者の関心の総量を上回った『Attention Saturation(注意力の飽和)』の状態にある今、情報を提供する側の企業として、何をすれば良く、何をしてはいけないのかを、しっかり見極めないといけません」と佐藤氏は警鐘を鳴らし、気をつけたい2つのチェックポイントを紹介した。
ユーザーが抱くサイトの印象は、意図しているものとズレていないか?
佐藤氏はYahoo!とGoogleを例に挙げ、同じ検索ポータルとして分類されるこの2つの大規模サイトの利用方法を比較した。社内アンケートの結果、Yahoo!はニュースやトピックスのチェック、Googleは検索だけという使い方をされていることがわかった。
「Yahoo!は様々なコンテンツに検索窓が囲まれているのに対し、Googleは検索窓以外何もないというくらいシンプルなトップページ。ユーザーがサイトに抱く印象は、必要な情報の際立たせ方やクリックの手間によって、大きく異なってきます。サイトのトップページが意図した印象を与えられているか、有用性を伝えられているか、見直してみましょう」(佐藤氏)
愛着の湧くサイトになっているか?
今やどのECサイトでもコンバージョンフローの改善が行われ、商品レコメンドも導入されており、機能面ではさほど差異はない。また、簡単に比較されてしまうので、商品の価格もそれほど大きくは変わらないだろう。それでもいくつかの特定サイトばかり使ってしまうのは、そのサイトに愛着を持っているからだと佐藤氏は説く。
「どんなに良い機能、情報を提供していても、第一印象の悪いサイトではダメ。逆に、一度サイトに愛着を持ってもらえれば、消費者心理に『参入障壁』のようなものを築くことができます。サイトを訪問してもらった貴重なチャンスを逃さないよう、消費者にとって必要なサイトであることをアピールすることが大切です」(佐藤氏)
マルチデバイス時代のOne to One マーケティング
言うまでもなく、消費者は人によって異なる目的を持ってWebサイトにアクセスしている。消費者それぞれの嗜好性を知り、求められる情報を推察して、正しく一貫したOne to Oneマーケティングを行うことで、先に紹介したサイトの印象や愛着をコントロールできると佐藤氏は語る。次にOne to Oneマーケティングに必要な3つのポイントともにブレインパッド社の提供するレコメンドツール「Rtoaster(アールトースター)」を用いた具体的な手法を紹介していこう。
消費者の嗜好性を知る=データの収集・統合・分類
消費者の嗜好を知るために重要なのは、「会員情報のような静的データ」と「Web上の行動データ」でユーザーを分類した上で、とにかく豊富なデータを持つ事だと語る佐藤氏。Rtoasterでは、年齢・住所などの会員情報とサイト内での行動データを統合して、ユーザーの嗜好性を分類することができる。
消費者と情報をマッチングする=あらゆるデータに基づく必要な情報の推察・最適化
集めたデータを元に、Webサイト内のあらゆる情報をユーザー毎に最適化することが理想。Rtoasterを使えば、ユーザーの分類別にバナーを最適化表示(レコメンド)したり、ユーザー個別に最適な商品をおすすめしたりすることが可能だ。
一貫性をもって情報情報提供する=マルチデバイス・チャネル対応
One to Oneマーケティングで重要なのは、どんなデバイスでアクセスしても、同じようにおもてなしを行う一貫性だと佐藤氏は言明する。Rtoasterでは共通のIDを発行できるユーザーであれば、マルチデバイスでのレコメンドに対応している。
Rtoasterでユーザー個別にレコメンド情報を提供した後には、大量のデータを集約・分析できるソリューション「smartFOCUS」がオススメ。One to Oneマーケティングに最適な機能を多数搭載し、Webだけでなくリアルなダイレクトマーケティングまで一貫サポートしてくれる。