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MarkeZine Day 2011

「持続可能な関係性を作ることがブランディングにつながる」
ソーシャル&スマートフォン時代のブランディングテクニック


 10月7日に、秋葉原コンベンションホールで開かれた「MarkeZine Day 2011」。B会場、最初のセッションは、「SUBARUの事例にみるソーシャル&スマホ時代のブランディングテクニック」。富士重工業マーケティング推進部で、SUBARUのプロモーションを担当していた鈴木曜氏によって、ソーシャルメディアとスマートフォンを活用したプロモーションを成功へと導く秘訣が披露された。

避けては通れないソーシャル&スマートフォン

 鈴木氏は今年に入り、スウェーデンに本拠地を構えるクリエイティブエージェンシー「グレートワークス株式会社」に、ストラテジック・プランナーとして転職した。

グレートワークス株式会社 シニア・ストラテジック・プランナー 鈴木 曜 氏
グレートワークス株式会社 シニア・ストラテジック・プランナー 鈴木 曜 氏

 冒頭、鈴木氏は、「ソーシャルメディアもスマートフォンも、すでにユーザーの身近な存在となっている。恋人に会いたいときときに会えないと、魅力が半減するのと同じように、接点を持たない事はブランド認知・ブランド理解の機会を自ら絶つようなものだ。ブランドに好意を持ってもらったときにさまざまなメディア・デバイスを通じてユーザーを全包囲する必要がある」と、昨今の状況を表わした。

 ネットユーザーの多くがソーシャルメディアを使っており、今や「ソーシャルメディア利用者=ネットユーザー」と言える。また、スマートフォンも販売台数は右肩上がりで伸びており「ソーシャル&スマホから目を背ける事は、お客様に背を向ける事と同じだ」と鈴木氏は警鐘を鳴らした。

ソーシャルメディアでは“ユーザーに刺さるかどうか”がすべての結果を左右する

 インターネットはTVなどの受動的なメディアとは異なり、能動的なメディアだ。そのため、プロモーションを立案する際に、不特定多数に向けた平均的メッセージを選択する必要はない。この点について、鈴木氏はSUBARUがmixiで行った3つのプロモーション事例を用いて、具体的に解説した。

mixiアプリ「LOVE DRIVE」

 LOVE DRIVE -ラブドラ-は、レガシィB4を使ったシミュレーション型のドライブデートアプリ。「かわいい妹系」「ツンデレ系」「お姉さま系」など、タイプの違うさまざまな女性の中から、好みの女性を助手席に乗せて、恋人関係を目指す。ゲームの特性とクリエイティブのクオリティを優先し、ターゲットは男性のPCユーザーに絞り込んだ。

 その結果、アプリの平均滞在時間は約20分、バーチャル試乗回数も計50万回に上った。さらにユーザーが自発的に攻略コミュニティを立ち上げるなどの波及もみせたことは、コンテンツがユーザーに深く刺さった証拠と言えるだろう。

mixiアプリ「マイミクGP」

 マイミクGPは、マイミク同士で線を繋ぎ合って、その数を競うゲームアプリ。描いた線は道になり、スタイリッシュな夜景の中を、レガシィアウトバックが駆け抜ける。ユーザーが直線を描けば車は真っ直ぐに走り、曲線を描けばカーブする仕組み。35万人が参加し、150万PVを獲得するという結果を叩きだし、ゲーム動画がYouTubeで共有されるなどの広がりも見せた。これによって、ユーザーのレガシィアウトバックに対する好意度は大幅に向上し、SUV車種の中の購買意向度は11位から1位に浮上した。

 「情報があふれ、取捨選択が難しくなっている昨今、従来通りのプロモーションではメッセージを受け取ってもらうことすら困難になっている」と語る鈴木氏。今まで車にもSUBARUにも、まったく興味のなかった消費者層に対して、少しでも関心を持ってもらい、新しい接点をつくる。その接点をきっかけに、SUBARUというメーカー共感を持ってもらうことを目指した。

YouTube「放課後のプレアデス」

 ユーザーとの新しい接点として作られたのが、「放課後のプレアデス」というアニメーションだ。エヴァンゲリオンの制作で有名なGAINAXとコラボして作られ、YouTubeで配信されている。

 主人公の名前は「すばる」だが、車の絵は一切出てこない、魔法少女アニメだというから驚きだ。このアニメは非常に高い評価を集め、YouTubeでの再生回数は200万回以上に到達し、アニメをきっかけに車を買う人や免許を取得する人も現れたそう。

 「ソーシャルメディアは消費者発信メディアと言われるが、その表現に騙されてはいけない。個に刺さって初めて広がる。逆を返せば、刺さらないと広がらないし、尖らないと刺さらない」と鈴木氏は語り、個を深く追求する重要性を説いた。

 「刺さるプロモーションを作るためには、決してざっくりとターゲットを決めるようなやり方をしてはいけない」と鈴木氏は強調する。若者の車離れと言われているが、若者でも車に乗っている人はいる。同じようにアニメが好きでもアクティブな人はいるのだ。これを、20代のアクティブで子供のいる人”というターゲティングをしてしまうと、支離滅裂なコンテンツが生まれてしまう。

 「自社ブランドを基準に考えるのではなく、ターゲットの行動に合ったコンテンツを提供しなければダメ。お客様が便利なのか? 必要なのか? を深く素直に考える事が、ブランディングを成功に導く秘訣だ」と鈴木氏は述べた。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&a...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/10/25 15:03 https://markezine.jp/article/detail/14566

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