近畿大学は昨年11月中旬に、経営学部の学生を対象に携帯情報端末についての調査を行い、607件の回答を得た。現在大学に在籍している学生は、ほぼ平成生まれの「デジタルネイティブ世代」。調査の結果、所有率が最も高いのは「電子辞書」で、「(紙の)メモ帳・手帳」「携帯電話」が続いている。情報端末の所有率は1年生よりも2年生以上の方が高く、就職活動を意識したIT化が進んでいるようだ。
所有率が最も高い電子辞書(85.5%)に対して、紙の辞書の所有率も75.1%と高いが、その所有者の8割以上が使用していないと回答している。使用しないにもかかわらず多くの学生が紙の辞書を所有しているのは、試験の際に持ち込みが可能であることが理由のようだ。
携帯電話所有率は78.6%、スマートフォンの所有率は56.4%で、全学生が携帯電話かスマートフォンもしくはその両方を所有している。よく使う機能は「通話・メール」「ブラウジング」「メディア視聴」。利用しない機能は「電子決済」「ワンセグ」などで、いわゆるガラパゴス仕様の機能はほとんど利用されていない。
iPadなど教育現場での活用が期待されるタブレットPCを所有する学生は6.9%と少数派。非所有かつ不要であると感じている学生が過半数を占めている。学生にとって、タブレットPCは使いみちがよくわからない未知のデバイスであるため興味が薄いのではないかと推測される。
今回の調査は、授業改善のために携帯情報端末を導入するにあたって、学生の利用状況を把握するために行われたものだが、今回の調査結果について近畿大学は「携帯情報端末全体の所有率は比較的高いものの、デジタルネイティブと呼ばれる世代としては想像外に活用度が低い」と分析している。
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