従来のマーケティング手法への危機感から、中長期的な戦術としてソーシャルメディアを選択
企業としてソーシャルメディアを活用しようと考えた時、最初に気になるのは、どれくらいの人的パワーとコストがかかるのかということではないでしょうか。SUUMOのプロジェクトに関して言うと、人的パワーは実質3~4人、実施コストもTVCMに代表されるマスメディアにおける広告宣伝費に比べると少額です。
ソーシャルメディアに投資するだけの予算はどこの企業でも用意できるはずですが、投資に対する効果が売上など目に見える形で現れにくいため、経営陣の承認を得ることが難しい企業も多いかもしれません。大切なのは、中長期的なブランド戦略にもとづいてソーシャルメディアの活用目的や手法を考えていくことです。
第1回目の記事でもお話させていただいたように、低頻度商材である住宅を扱うSUUMOは、接触する機会が限られている検討層だけをターゲットとしたマーケティングに限界を感じていました。欲求が起きるトリガーがカスタマー側にあるからこそ、住宅への欲求が顕在化していない段階から長期的なつながりを築いていくことが大事であり、中長期的なブランド戦略のもとにソーシャルメディアをいかに活用していくかを考えたのです。
具体的には、マス広告によってSUUMOに興味を抱いていただいた潜在層の方々を、ソーシャルメディアによってどれだけ受け止めることができるか。その興味に対する受け皿を最大化させるため、Facebook、Twitter、スマートフォンゲーム、mixi、GREEと、国内のソーシャルメディアツールを網羅的に活用していこうと考えました。