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SUUMOに学ぶソーシャル×ブランドコミュニケーション

Twitterの「拡散」とFacebookの「深化」 「場」ではなく「機会」を提供することで、メディアを超えたつながりを創出

 ソーシャルメディアを活用したSUUMOのブランドコミュニケーションとは? リクルートのブランドチームリーダーがその戦略とノウハウを公開します。第3回はソーシャルメディアを活用したブランド戦略が、事業戦略にも効果的であることを示す事例をご紹介します。

マーケ施策にTwitterを絡めることで、 情報の拡散性が飛躍的に高まる

 実際に私たちがマーケティングでソーシャルメディアを活用して分かったことは、ソーシャルメディアには「拡散」「深化」という2つの機能があることです。今回はこの2つの機能について、SUUMOの事例をご紹介しながら、具体的にご説明していきたいと思います。

 1つ目の「拡散」を起こす代表的なソーシャルメディアはTwitterです。マスメディアやWebでの各種マーケティング施策に、見た人たちがTweetしたくなるような工夫を加えることで、情報のリーチが何十倍にも広がっていきます。

 初春に、山手線の車体広告にSUUMOのイラストを施すラッピングトレインを行った時には、1車輌だけ桜の木のイラストを加えました。全車輌同じデザインに見えたラッピングトレインに、1車輌だけ季節感のあるデザインが施されている。SUUMOのラッピングトレインというアテンション効果の高い施策に、「桜」という日本人が心待ちにする季節感を感じるフックを加えることで、見た人にそのことについて話をしてもらうことが狙いでした。

1車輌にだけ桜を施したSUUMOラッピングトレイン

 Twitter上ではSUUMOのラッピングトレインや桜についてのコメントが飛び交い、写真もアップされ、実際にラッピングトレインを見ていない多くの人たちにも、ソーシャルメディアを介して間接的にSUUMOのブランドを体験していただくことができたのです。

意見が蓄積されていく Facebookによって、ブランドへの想いが深まる

 ソーシャルメディアを介して情報が多くの人へと伝播していく「拡散」に対して、ひとつのテーマに多くの意見が集まり、ユーザーの想いが深まっていく「深化」を起こす代表的なソーシャルメディアはFacebookです。

 節分のタイミングにあわせて、SUUMOの公式Facebookページでスーモが巨大な恵方巻きを食べている写真を投稿したところ、「恵方巻きたべなくちゃ!」といった恵方巻きについての会話や、「スーモそんなに大きな恵方巻き食べて大丈夫?」「かわいい!」など、スーモについてのコメントや「いいね!」、シェアを数多くいただきました。恵方巻きという季節の行事に対しての想い、スーモに対する想いが蓄積されていったのです。

 また、震災による節電の必要性が強く求められる世の中の流れを受け、それまでSUUMOのWebサイト内で行っていた「緑のカーテン」の作り方を紹介するページを、Facebook内にSUUMO公式Facebookページとは別に開設しました。

Facebookではコメントの蓄積によりユーザーの想いが深まる

 開設当初は少なかったカスタマーからの投稿が、緑のカーテンが成長するにつれ増えていき、緑のカーテンの成長についてカスタマー間で見せ合う場が醸成されていきました。カスタマーの中には「このページを参考に緑のカーテンを作りました」という方も現れ、「緑のカーテン」に対しての行動や想いが蓄積されていったことにより、他カスタマーへ影響を及ぼしていく様子を目の当たりにしました。このように、Facebookは想いを「深化」させていくのに非常に適した場なのです。

 また、すでにお気づきかもしれませんが、Facebookページでの深化でも、Twitterでの拡散においても共通して言えることは、投げかける内容において、「季節性」は大事なポイントの1つだということです。世の中の空気感に沿う話題を投げかけることでカスタマーとのコミュニケーションが発生するという、ある意味当たり前なことがソーシャルメディア上では非常に大事になってきます。

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この記事の著者

田島 由美子(タジマ ユミコ)

株式会社リクルート 住宅カンパニー 企画室 ブランドマネジメントグループ ブランドチームリーダー。

2000年株式会社リクルート入社。入社以来Webサイトの編集、ポータル提携、集客などインターネット関連業務を担当。現在はTVCMなどのマスコミュニケーション、リアルイベント、ソーシャルメディアを活用したS...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/06/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/15704

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