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MarkeZine Day 2025 Retail

現場ノウハウ満載!現役店長に学ぶ「人気ネットショップの作り方」

これからのネットショップは「スモールキーワード」で勝負!(前編)~匠の技を伝える「京のはんこや 幸栄堂」~


ネットのはんこショップは激戦区!

山下さんが、ネットショップを始めたのは、いつごろだったんでしょうか。

実はネット販売は、半分遊びのようなかたちで1999年から始めてました。でも、情報が少なかったのと、当時「ネットは儲からないからダメだ」という話を人から聞いていたために、本格的に取り組むのに時間がかかってしまいました。真剣にネット販売に力を入れ始めたのは、大体2年前からです。

当時は、ネットのはんこ屋さんといえば、同業者の「ハンコヤ・ドットコム」が有名でしたね。

ええ。その時から真剣にやっていればと思いますが……。そのハンコヤ・ドットコムから問屋を通じて、「高級印鑑を売るので、名前を貸してほしい」と言われて2年ぐらい販売の委託をしていました。しかし、同業者からクレームが付き、「名前を使われているだけやぞ。安売りの業者の手伝いをするな!」など、色々言われました。

それはキツイですね。山下さんは、そういう声を聞いて考えに変化があったのでしょうか。

実は、名前を貸していたのは2年ぐらいだったのですが、注文が1つもなかったので疑問に思い、自分で本格的に始めたのが3年前なんです。業界の生え抜きではなくても、ハンコヤ・ドットコムがあそこまで大きく売上を伸ばしているのはすごいなと思っていました。自分はハンコが本業ですから、少しぐらいは……と思ったのですが、なかなか難しかったですね。

本格的に開店した直後、売れ行きはどうでしたか?

当時は月2万円ぐらいでした。ネット販売も、実店舗と同じくらい販売の勉強が必要だと思い、EC協議会(全国イーコマース協議会)に入会したり、色々な情報収集に努めました。そのあたりから、なんとなくやり方がわかってきて、少しずつ売り上げを増やして来ています。実店舗の売上を追い抜く日は、そう遠くはないと思っています。

「ロボットが彫る印鑑」に負けてはいられない

「京のはんこや」で提供している商品のひとつに「匠の印鑑」があります。これは、どんなはんこなんでしょうか。

「匠の印鑑」とは、厚生労働大臣認定一級技能士で、技能グランプリ大会において、一位を受賞した巨匠と呼ばれている先生方によって作り上げられた印鑑です。巨匠の手彫りによる印鑑は、文字が繊細で伸びがあり、印面にバランスが良く収まります。特徴をまとめると次のようになります。

◎印鑑・はんこ製造過程のほとんどが、手彫りであること。
◎伝統的な彫刻技術や字入れ技法によって製造されるものであること。
◎伝統的に昔から使用されてきた原材料を主として用いられ製造されるものであること。
一級技能士の職人の特に技能グランプリ大会において、一位を受賞した職人であること。

「匠の印鑑」はこれらを、ハンコのブランド化を目指して作り出した物です。おかげさまで、お客様から直接、お好みの先生へ彫刻依頼を頂いています。

3人の巨匠が彫る、格調高い作品「匠の印鑑」。
現在、はんこを販売しているネットショップは非常に多くなっています。同業他店と差別化・独自化を図るためには、「匠の印鑑」のようなブランドづくりも大切になってきますよね。

おっしゃるとおり、はんこを販売しているネットショップは非常に多く、激戦です。当然価格競争は激しくなります。激安店などの多くは、ソフト屋さんや素人さんが「印鑑彫刻ロボット」という彫刻機を使ってはんこを彫刻して、そのまま仕上げもしないで販売されているのです。当然、印鑑の印面が仕上げされていないので、捺印してもきれいに押せませんし、枠の歪みなど「いびつ」なままです。
「京のはんこや」では、価格競争をすることを避けて、手彫り印鑑の販売を全面に押し出して差別化していますが、なかなか一般の人には判りにくいらしく、どうしても価格の比較になってしまいます。

そういう現状を知らない人は、どうしても価格に目がいってしまうんでしょうね。

「京のはんこや」では、「京印章」や「匠の印鑑」などの商品を全面に押し出すことにして、手彫り彫刻技術の説明や表彰された実績など、一般の人には判りやすく情報を提供しているつもりです。

技術だけでなく、顧客に知ってもらう努力も大切ということですね。

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3つのネットショップの違いは?

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この記事の著者

山田 雅彦(ヤマダ マサヒコ)

大学で経営工学を専攻。総合電機メーカー系ソフトハウスに勤務後、フリーのシステムエンジニア、IT系コンサルタントなどを経て、2000年3月に有限会社サーブを設立。 また、買い物情報のクチコミサイト「買物じょうず」の企画・開発...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/08/20 11:36 https://markezine.jp/article/detail/1573

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