無印ファンの夢の生活、「ぜんぶ、無印良品で暮らそう。」キャンペーン
6月15日から募集がスタートする「ぜんぶ、無印良品で暮らそう。」キャンペーンは、無印良品の数ある商品のなかでも価格・規模ともに頂点にある「家」に実際に2年間住んでもらおうという一大プロジェクト。しかも、生活に必要なものは、すべて無印良品から提供されるという太っ腹な企画だ。
無印良品では、この「家」という商品の認知度が低いことに課題を感じていた。良品計画WEB事業部 コミュニティ担当の風間公太氏によると、これまでもTwitterやFacebookなどソーシャルメディアを使って家を紹介してきたが、その際の反響には「無印に家があったんだ」という声も多かったという。同ブランドの強みでもある、さまざまな日用品、食品、衣服、家具、そして家という、生活全体をカバーするこの商品ラインナップが活かしきれていないのではと感じていた。
今回のキャンペーンでは、家だけでなく、生活に必要なさまざまな製品も同社が提供。無印ファンにとってはまさに理想的な環境をリアルに体験できる場となる。このキャンペーンを通じて、家の認知だけでなく、生活提案をしていきたいと考える無印良品には、プロジェクトの発表と同時に大きな反響があった。
「かなりの広さですよ」(風間氏)というこの家、「ペットを飼っていいですか?」「友達とシェアしてもいいですか?」という問い合わせもあったという。家一軒まるごと提供というプロジェクトだけに典型的なファミリーを募集するのかと思いきや、社内では「シェアハウスもいいかもしれないね」といった意見もあり、実際に反応を見ながら当選者を決めていくことになるという。
また、実際に住んでもらう人はあくまでも住宅という商品のモニターであることから、同意のもとに一定のモニタリングや取材に応じてもらうにとどめ、住む人の生活を覗き見するようなかたちにはしない。とはいえ無印ファンにとっては夢の生活。今日の特設サイト開設で、どんな反応があるか楽しみだ。
O2Oで認知を高めるグローバルキャンペーンも
無印良品は今年、グローバルなキャンペーンも展開する。無印良品の海外1号店は、1991年7月にオープンしたイギリス・ロンドンのソーホー地区にあるお店。それ以来「MUJI」という愛称で親しまれ、現在、アジア、欧米を中心に21か国、173店舗展開している。しかし同社では、アジアでの認知度は高いものの、ヨーロッパではまだまだ低いと感じている。
6月3日にドイツで立ち上げた「MUJI MESSE」は、商品の見本市サイト。認知率が20%ほどのドイツ向けに展開するもので、商品に投票すると、ルーレットのような仕組みによって商品が当たる仕組みになっており、遊びながら商品に親しんでもらうことができる。
旅行用の商品をセレクトして提供する「MUJI to GO」が7月に行うグローバルキャンペーンでは、すごろくのようなゲームを用意して、全世界を旅しながら商品を紹介。クーポンを当てると、世界の国をモチーフにしたステッカーがお店でもらえるO2Oキャンペーンとなっている。
また、ソーシャルゲーム「MUJI LIFE」でもキャンペーンを展開。ネット上の「自分の棚」に、毎日届く段ボールに入った無印良品のアイテムなどを並べたり、友人へプレゼントして楽しむこのサービスでは、キャンペーン期間中カレーばかり届いてしまうといったサプライズもあるとか。無印良品は、リアルでもネットでもワクワク感のあるキャンペーンを見せてくれそうだ。