FORECAST関数を用いる方法
手入力が苦手な場合は、関数を使って予測値を求めることもできます。ただし、あくまでも計算の利便性のために利用するだけです。そもそも回帰式が成り立っているのか、精度はどの程度か、ということを分析ツールを使って検証しておく必要があります。
1.[数式]タブの[関数ライブラリ]コマンドの[関数の挿入]をクリックします。

2003の場合:[メニューバー]の[挿入]クリックし、[関数]をクリックします。
2.[関数の分類]から[統計]を選択します。
3.[関数名]から[FORECAST]を選択し、[OK]をクリックします。

4.[関数の引数]の「X」にX の値(30)、「既知のy」に被説明変数yの範囲、「既知のx」に説明変数xの範囲を指定します。
5.[OK]をクリックします。

6.予測値は「383.15」と算出されました。

「ここがポイント」
FORECAST関数 に慣れてきたら、任意のセルに直接、
=FORECAST (X の値, 目的変数yの範囲, 説明変数xの範囲)
と入力して予測値を求めることもできます。
最高気温が40℃だったら? 既存データの範囲内かチェックしよう
最高気温が40℃の時のアイスコーヒーの注文個数は? 今までの流れで考えると、y=30.21+11.76xのxに40を代入すれば、40℃の時のアイスコーヒーの注文数は予測できそうです。しかし、そう簡単にはいきません。
なぜなら、下表を見るとわかるように「最高気温」の最小値は22℃であり、35℃であるため、その範囲内に入っていない40℃を予測することは「外挿」と呼ばれるエリアの予測になってしまい精度が落ちるからです。

「外挿」はデータのない範囲(外側)の値を推定することを意味し、その対となるのが「内挿」です。下図を見ても明らかなように、最高気温30℃は内挿であるため、自信をもって予測することができたわけです。しかし、40℃では外挿となってしまうため、単回帰式に代入すれば値そのものは求められますが、残念ながら数学的に信頼することはできないのです。
株価の変動を考えてみてください。急な不祥事や好材料がないかぎり、明日の株価を予測することは比較的簡単ですが、1ヵ月先や1年先など、予測の範囲が広がれば広がるほど信憑性は薄くなっていきます。同様に、単回帰式を用いた予測においても、既存データの最小値や最大値からかけ離れた値での外挿には注意が必要です。
