新たに加わった「タイムライン」と「ホーム」、その行方は?
継続的に進化を続けているLINEだが、ソーシャルメディア的な視点からは、Androidアプリは8月6日、iPhone版は13日のアップデイトで導入された「ホーム」と「タイムライン」が気になるところだ。7月のイベント「Hello, Friends in Tokyo 2012」で発表されて、1か月後のリリースとなる。


実は筆者は、LINEのSNS化ということで非常に派手な機能が登場するかと勝手に期待したところがあったのだが、実際にリリースされたものはいわゆる写真投稿型のスマホSNS、例えばPathやInstagramなどのUIを踏襲しつつ、その基礎部分をシンプルに提供してきたという印象だった。
投稿に対する「いいね!」的なリアクションを数種類のスタンプから選べるのはLINEならではだが、逆に言うと特徴的な打ち出しはその程度で、筆者の周りではそれほど熱心に使い込まれてはいない。といっても既にFacebookやPath、miilにInstagramといった既存のソーシャル・アプリの愛用者が多いせいもある。
ソーシャルなサービスを評価したり動向を語る上で難しいのは、とくにLINEのようなアクセス制限の強いサービスではなおさらだが、自分周辺の限られた観測範囲で起きている現象を世界全体だと思い込んでしまう傾向がままあることだ。
LINEの場合、ソーシャル的な枠組みとしてこれまでせいぜいTwitterを知っているという層をメインターゲットにしていることを考えると、まず基本的な機能をリリースして反応をうかがい、徐々に機能追加を図っていくのはうなずける戦略なのかもしれない。
LINE公式ブログの告知を見ても、これまでの「ひとこと」機能の代わりとして、比較的リッチになった「ホーム」「タイムライン」機能を利用してほしいとしており、これを足がかりにソーシャルな枠組みに入ってきてほしい意図がうかがえる。
しかし、フタを開けてみるとアプリページのユーザーレビューで「ひとことを元に戻してほしい」という★1つのレビューが急増するという結果につながっており、新しい機能・使い方に慣れてもらうのがどれだけ難しいかを実感させる。とはいえ、Twitterで「LINE タイムライン」を検索してみると、徐々に浸透している様子も見て取れる。
意外だったのは、占いなどLINE上で動作するアプリからアクティビティを積極的に投稿させてバズらせるプラットフォームとしての利用目的はそれほど強くなかったことだ。考えてみれば、Facebookにしてもmixiにしても、アクティビティを導入した直後にはユーザーからの反対運動が巻き起こっており、利用者動向を見極めながら慎重に導入しているのは正解なのかもしれない。