ソーシャルメディアの運用目的は「ブランディング」という企業多数
NTTレゾナントとループス・コミュニケーションズ調査の第3回「企業におけるソーシャルメディア活用状況」によると、Twitter企業アカウントを含むソーシャルメディアの運用目的を聞いたところ、全てのメディアで「広報活動」(企業PR)「企業全体のブランディング」「キャンペーン利用」が上位3位にランクインしています。その他、約2割の企業が、特定製品やサービスのブランディング利用にも活用しているとのこと。ブランディング利用は、ソーシャルメディア活用の大きな目的の1つなのです。
そもそもブランディングとは、競合企業や製品・サービスなどと自社との違いを明確にし、顧客や消費者の関心を高める行為全般を指します。企業や製品・サービスに関するテレビCMや雑誌広告等と目的が同じと考えるといいでしょう。ただし、マスメディアではないので、イメージの一方的な押しつけはできないところに注意が必要です。
ブランディングのためには、ソーシャルメディア上でアカウントや公式ページを作り、繰り返しユーザーに発信・交流していく必要があります。積極的なメッセージ等の発信の他に、自社や自社製品・サービスに対するクレーム・意見などに対応するマイナスへの対処も重要です。マスメディアやソーシャルメディアで手間やコストをかけてブランディングしても、企業や社員の不祥事やクレームを放置したことによって、帳消しになってしまうことがあります。企業・社員・メディアまで含めたトータルでのブランディングが重要なのです。
そのように、企業のFacebookページの場合は、トータルで発信するメッセージすべてがブランディングにつながります。なお、個人のFacebookやTwitter、その他ソーシャルメディアなら、投稿するテキスト・写真・動画、プロフィール、交流関係などもセルフブランディングにつながります。Facebookのタイムライン、Twitterのアイコン等もブランディングにつながるので、企業や製品・サービスなどがひと目で分かるもの、ブランディングしたいイメージに合う画像を選ぶといいでしょう。
マスメディアよりSNSで認知した人のほうがサービス利用意向度が高い
リクルートが運営する不動産・住宅サイトの「SUUMO」は、キャラクタースーモ君を中心に、ソーシャルメディアブランディングを展開しています。同社では、Facebook、Twitter、MobageやGREE、スマートフォン向けアプリ、Facebookやmixiで遊べるゲーム等を提供。スーモ君のキャラクターを伝える他、ユーザーと交流したり、ユーザーのブランドとの接触回数を増やすことを目的としているのです。
SUUMOのブランドチームリーダーによれば、限られた住宅購入のタイミングを逃したくはないけれど、そのタイミング外である圧倒的多数にテレビCMを打ち続けるのはコストに見合わない。しかし出稿を止めた途端に、好意度が下がってしまう。そこで、ソーシャルメディアマーケティングに力を入れたといいます。(参照:「SUUMOのソーシャルメディア担当者に聞く ソーシャルメディアを軸とした『統合ブランドコミュニケーション』とは?」)
同社が半年に一度行っているSUUMOブランドに関する調査結果によると、マスメディアで認知した人よりもソーシャルメディアの公式ページを知っている人の方が、SUUMOの利用意向度が高いといいます。キャラクターを用い、結果的にそのような結果につながるブランド浸透型の使い方は、多くの企業で参考になるのではないでしょうか。