SEMとネットワーク広告がスマートフォン広告の要
2016年には日本における人口普及率が70%を超えるとされるスマートフォン。市場が急速に拡大するスマートフォンだが、ユーザーが利用するサービスが多様化し、単一メディアだけでユーザーを獲得するのがむずかしい現状にある。つまり、複数メディアへ一括配信・管理するネットワーク広告でのアプローチが一層重要になっている。
一方で、SEMが重要なのは感覚的に理解しやすいだろう。例えばAndroidの端末では、Googleの検索バーが標準装備されているし、iPhoneからも検索画面を簡単に立ち上げることができる。「常に持ち歩く」という使い方はフィーチャーフォンと同じだが、スマートフォンはマルチタスクで(横に並べて)比較検討しやすく、検索エンジンから得られる結果も満足のいくものであり、より検索行動をとりやすくなった。
スマホの普及にともない、ユーザーが閲覧するサイトが分散
それでは、なぜネットワーク広告が重要なのか、考えていこう。結論を言ってしまうと、スマートフォンユーザーのサービス利用の仕方が変化した事が要因だ。
下の表は、フィーチャーフォンとスマートフォンサイトの利用者数のランキングである。フィーチャーフォンの利用上位サイトは検索/ポータル/キャリア系。一方、スマートフォンの利用上位サイトは1位・2位こそ検索サービス(Yahoo!/Google)だが、その後はソーシャル/専門サービスが上位に並ぶ。
スマートフォンの特徴は、ユーザーが端末機能を自由に拡張できること。つまり、端末自体がユーザーオリジナルのポータルになる。ユーザーは自分がよく利用する専門サービス(アプリ)をデスクトップに設置して、直接利用する機会が増える。その分、ポータル(キャリア)サービスの利用は相対的に減少しやすい。ユーザーニーズの多様化とあいまって、利用サービスは更に分散していくため、特定メディアだけではリーチ不足に陥りやすくなるのである。
かつてのPCやフィーチャーフォンにおいては、限られた大型メディアをいかに攻略するかがプロモーション成功のカギであった。それとは異なり、スマートフォンでは単一メディアごとではなく、ネットワークとして束ねて広告出稿・管理していく事がより重要になる。