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「消費者にとって、もはやオンラインとオフラインに垣根はない」次世代EC環境構築の秘訣に迫る

 日本の2011年BtoCのEC市場規模は8.5兆円(前年度比108.6%)。インターネットやスマートフォンユーザーの拡大にともない、年々拡大を続けている。一方、O2Oが注目されているように、今や消費者にとってオフラインとオンラインの行動はフラットになりつつある。消費者の購買行動の変化を見据えた、売り上げ拡大に直結するEC環境構築について、知見の深いオプト 執行役員 八田氏が見解を述べる。

アドテクノロジーの進化がもたらした変化

 「安定した収入があり、こだわりをもって商品を選ぶ20代女性」といった漠然とした存在は、実は存在しない。かつてはそんな曖昧なターゲットに向けて広告施策が行われていたが、時代は1to1マーケティングにシフトしている。

 そもそも、あらゆるユーザーは全て個としてバラバラに存在している。各々の購買に至るまでの行動やメディアへの接触態度、ブランドへの意向は、千差万別だ。デジタルマーケティングに従事する人間は、その前提をまずは踏まえておくべきだ

 昨今のアドテクノロジーの急速な進化によって、数年前は学問の領域を超えず、概念だけにとどまっていたことが、今や具体的に実施可能になってきた。しかしながら、同時に広告の運用は複雑さを増した。コストや部門間の調整など様々な制約のある広告担当者にとって、メディアやベンダーが用意したプラットフォームは決して使いやすいものではないという問題が浮かび上がってきた。

 そこに、「広告枠売買」から「広告運用」の代理人へと役割が変化した広告会社の必要性が生じる。加えて、広告会社は運用成果への責任を求められるようになった。広告の運用成果を上げるためには、最適な広告プラットフォームを選択・導入し、運用する必要が出てくる。広告会社にはその導入障壁を緩和させるアジャスターの役割も同時に期待されている。

1,000万人に1,000万通りの1to1マーケティングを

 行動履歴をもとにしたターゲティング手法であれば、ユーザーの行動パターンは、ユーザーの数だけパターンがある。つまり1,000万人いれば、1,000万通りのパターンがあるということだ。

 例えば旅行代理店であれば、行き先、予算、日程、同行者の有無、過去に比較したプラン、あこがれなど、デジタルに決まるものからユーザー個人が旅に期待するものまで、行動パターンに影響を及ぼす要素は多種多様だ。このように多岐にわたる行動履歴を、人間の能力で処理するのはもはや不可能と言えるだろう。

 しかしながら、ここであきらめるのは早急だ。何百万、何千万、何億ものパターンがそれぞれ別々に存在し、時間の経過とともに刻刻と変化していくサービス・モノにこそ、アドテクノロジーの進化により実現したデジタルマーケティングと抜群に相性がいいのだ。そして、そのギャップを埋める役割を果たしてこそ、我々のような広告会社が存在する価値がある。

 これまでのデジタル広告は、広告メニューごとにバナーやテキストなどの広告素材とリンク先URLが必要であった。それが、広告のターゲットが「枠」から「オーディエンス」へと変化した現在では、理論上ではオーディエンスごとに広告素材とリンク先URLが必要になる。そんなことはもはや人力で対応することはできない。ユーザー1人1人のニーズに対応した広告で訴求し、最適なコミュニケーションを行っていくには、アドテクノロジーの活用が不可欠だ。


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