大手企業を中心に導入されている配信システム「MailPublisher」
見込み顧客との効果的なコミュニケーション策として、現在でも多くの企業でメールマガジンの配信が採用されている。シンプルな手法だからこそ、文章やデザインのちょっとした工夫やシステムの整備で大幅に成果が変わる。
メールマーケティングに精通するエクスペリアンジャパン(旧 エイケア・システムズ)の桑原氏は、「オーソドックスな手法だからこそ、見落としてしまいがちな点も多い」と話す。同社は世界規模でデータや分析ツールを提供するエクスペリアングループに属し、5年連続シェアNo.1を誇るメール配信システム「MailPublisher」を提供。楽天、ヤフー、ベネッセ、ユニクロなど多くの会員を抱える大手企業をはじめ、4000件以上の導入実績があり、現在では月間20億通を超える配信を支えている。
メールマーケティングの意外な3つの誤解
桑原氏はメールマーケティングにおける意外な誤解として、次の3点を挙げる。
- メールマガジンの本文は短いほうがよい
- メールマガジンのデザインは綺麗なほうが効果が高い
- メールマガジンの制作はWeb制作会社がよく知っている
これらは当たり前のように思われがちだが、エクスペリアンジャパンの知見によると、いずれも誤りを含んでいるという。
例えば、「長いと感じるメールは物理的に長いのではなく、改行や装飾が少なく見づらかったり、ユーザーが興味を持てない内容となっている場合、心理的に長く感じさせてしまう」と桑原氏は指摘する。例えばワコールのメールニュース配信において実施した本文の長さが異なるABテストでは、本文は長いが内容と読みやすさにこだわったメールのほうが、クリック率が2倍になったという。
配信数=到達数ではない、機会損失の多い現状
また、メールマガジン制作・配信をWeb制作会社に委託するケースも多い現状を取り上げ、それも適切とは言い難いと指摘。桑原氏によると、成果につながるメールマガジンを制作するには「情報理解力」「文章力・デザイン力」「メールへの対応力」の3要素が不可欠だという。
「自らの意志でアクセスするWebサイトと違って、メールマーケティングはあくまでPUSH型。“読まれない”ことを前提に、配信管理からメール自体のクリエイティブにまで工夫を凝らすには、やはり独特のノウハウが必要だと思います」(桑原氏)
さらに、「適切なシステム選択を誤ると、大きな機会損失につながる」ことにも桑原氏は言及。「配信する側は、配信数=到達数だと思いがちだが、ある企業の実例では、配信したメールの実に3割が受信フォルダに正しく届いていないことがあった」(桑原氏)
つまり、到達数は7割に留まり、当然コンバージョン件数や売上額にも差が出てくるのだ。
デバイス最適化を自動で行えるシステムが有効
そして、特に最近注意すべきなのが、スマートフォンを含めた多様なデバイス環境に対応することだ。エクスペリアンジャパン調べによると、調査対象者1100人のうち約4割が「携帯端末向けメールマガジンをスマートフォンのみで閲覧」しており、PC向けメールマガジンすら約15%が「スマートフォンのみで閲覧」している実態が浮かび上がった。
「最適化したコンテンツのほうがクリック率やコンバージョン率は高くなることも分かっています。こうした状況に対応するには、デバイスごとに自動的に配信を最適化するシステムが必要」だと桑原氏は講演を締めくくった。
ページ下部からダウンロードできる今回の講演資料は、数値を踏まえたコンバージョンの比較や企業の実例が多数盛り込まれたものとなっている。自社のメールマーケティングを再考する参考にしてはいかがだろうか。
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