チェックインを活用したコカ・コーラの事例
このように、生活者が既に行なっているアクションを上手く取り入れた事例をもうひとつご紹介したいと思います。コカ・コーラがイスラエルで、リサイクル啓蒙のために行ったキャンペーンです。
これは、飲み終わったペットボトルを回収ボックスに入れてもらう際に、同時にチェックインをしたり、ボトルを回収ボックスに入れるところの写真なども一緒にアップロードしてもらうというシンプルなキャンペーンです。たくさんチェックインした利用者には「Recycling King」の称号が与えられます。
ペットボトルをリサイクルに回した、という「チョット良いこと」を周りの人に知らせたいという気持ちと、Facebookで特定の場所を訪れたことを周りの人に知らせる「チェックイン」を結びつけたアイデアです。

このFacebookページには2週間で3万のいいね!が集まり、26,000枚以上の写真がアップロードされています。またチェックインの数は25万回以上集まりました。
まとめ
Facebook上では、ページのファンとなってくれた生活者とのエンゲージメントを高めることが重要なわけですが、これには何も手の込んだものや、奇をてらったキャンペーンを用意する必要はありません。むしろ「普段から人々がFacebook上で行っているアクション」や、「普段の生活(オフライン含む)で当たり前のように行なっていること」をうまく組み合わせたり、取り入れたほうが生活者からすれば簡単に参加できるはずです。

Mark D'Arcyがad:techのキーノートで「Facebook is New. Facebook is Old.」と語りましたが、これはFacebook上で行われているコミュニケーション自体が、生活者がFacebook登場以前から当たり前のように行っていた活動であるということです。人は誰しも、仲の良い友人には楽しかった出来事を伝えたいし、良い商品を使ったら感想を教えたいものです。
今までと違う特別なことを新たに用意するのではなく、Facebook上やオフラインの場面で、すでによく行われているアクティビティをヒントにアイデアを練る。それは、偉大なる広告業界の先人、ビル・バーンバックが次のように看破した言葉とも一致します。
「コミュニケーション業に従事するものは、変化しているものを追いかける以上に、人間の中の変化しない本質をしっかり見据える必要がある。それは人間が持つ、生存欲であり、承認欲であり、出世欲であり、己の人生を自分でコントロールしたいという思いなどである。」
次回は、Facebook Studioのギャラリーに載っている日本の事例をご紹介します。