IDC Japanは、国内BYOD(Bring Your Own Device)の利用状況の調査(2012年11月実施)をもとに、BYOD導入率/導入課題/メリットとデメリット/生産性向上等について分析を行い、その結果を発表した。
BYODとは、従業員の私物のモバイルデバイス(スマートフォン、タブレット、PC、携帯電話)を企業、教育機関、官公庁、自治体のシステム、あるいは契約しているクラウドサービスにアクセスして、企業が利用ポリシーに準じて認めた従業員が業務で利用すること。
一方、シャドーITとは、企業が業務において、私物端末の使用を許可しない状況で従業員が使用するケースとBYOD利用規定を定めないで使用するケースを指す。現在は、BYOD(許可)とシャドーIT(黙認)が混在している。
BYOD導入率/シャドーIT利用率は、スマートフォン(29.2%)、タブレット(19.3%)、モバイルPC(19.6%)、スマートフォンを除く携帯電話(39.1%)となった。携帯電話とスマートフォンのBYOD/シャドーITが進んでいる。シャドーITの割合はそれぞれのデバイスにおいて、BYODの約6~8割を占めており、シャドーITの存在は大きいと考えられる。
従業員規模別では、BYOD導入率/シャドーIT利用率は従業員規模と負の相関があり、従業員規模が大きくなるに従い導入率は低くなる。産業分野別ではBYOD導入率/シャドーIT利用率の高い業種は、流通/小売/卸売、一般サービス、建設/土木で、低い業種は、金融、製造、自治体/教育であった。
国内BYOD/シャドーITユーザー数は、2011年は192万人であったが、2016年には1,265万人まで拡大する見込み2011~2016年の年間平均成長率は51.5%と高い成長率で推移している。特にシャドーITは急激に増加していくと予測。
BYODの拡大は、企業での働き方を見直す契機になると共に、従来のエンタープライズITとコンシューマーITが統合されていく序章と言えるだろう。
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