加盟店の獲得
消費者にとって大事なのは、スマポをどれだけ多くのお店でどれだけ頻繁に使えるのか。渋谷のこのお店でだけ使えます、じゃ話にならない。スマポへの参加を最初に決めたのは大丸とビックカメラ、その後、丸井やUnited Arrowsといったお店が後を追ったそう。店舗への集客に関する潜在的なニーズがあったし、スマホ分野での取り組みをしたいという思いもあり、スマポはうまくそんな企業に選ばれることに。大手同士がスマポに加入することで相互送客が実現しているというわけ。

United Arrowsなんかは、購入商品をアプリで読み込むと購入金額に応じてポイントが貯まる独自アプリを展開してる。実際、スマポに参加する企業の多くは独自のポイントシステムを持っているけれど、その棲み分けについて聞いてみると、
「企業さんのポイントはロイヤリティプログラム、既にファンになっている顧客に対してのアピールになるものが多いです。反対にスマポは、新規顧客やカードにつくるまでに至らない顧客に対する来店促進という効果が期待されます。」
ビックカメラに関しては、スマポのポイントを独自のポイントシステムにチャージするような繋ぎ込みもやっているそう。POSをいじる必要もないし、スマポの採用が決まったらスピーディかつライトに導入できるのも魅力なのね。
実際にどれだけ効果があるの?
スマポをリリースした当初は加盟店がビックカメラと大丸だったこともあり、30代〜40代の利用者、特にアーリーアダプターである男性が多かった。ところがUnited Arrowsを始めとするアパレルブランドが参加することで、今ではユーザの半数が女性だそう。そんな女性ユーザのニーズに答えるために、今年2月に女性を対象とした参加店舗を58店舗追加。今回新たに加わったのは、THE BODY SHOPやIENA、AMO’S STYLEなど11ブランドだった。これで若いお買い物好きの10代~30代の女性世代の期待に応え、さらにその層にまでユーザ層を広げられる。
では事例とその効果について見てみましょ。
丸井の場合
新規顧客の獲得を大きなテーマに掲げていた丸井。丸井は誰もが知るブランドだけれど、大学生向けのブランドという認識が多かったりで、丸井を卒業する人が増えていた。そんな丸井卒業生に向けて、ビジネスマンやOLにプライベートブランドシリーズをアピールしたかったそう。スマポを特定の売り場、今回でいえば丸井のプライベートブランドシリーズの売り場に導入することで、そこに集中して集客できる。例えば8Fのメンズシューズ売り場、2F奥の女性下着売り場といった具合に。
「そもそもテレビCMを打った場合、新規顧客の流入は全体送客の10%ほどだそうです。残りは既存顧客。スマポを導入した結果、送客の4割が新規顧客でした。来店してみると、丸井って色々あるんだ!と発見してもらえたんです。新規顧客のうち、また来たいと思ってくださった方が80%いることがわかっています。」
確かに何が億劫って、新しいお店に来店すること。どうしても慣れたお店に通ってしまいがち。でも一度行ってみると予想外に色んな発見がある。発見があっただけじゃなく、スマポで来店したユーザのうち、何かしら丸井で商品を購入した人が10人中5人だったんだって。丸井全体ではなくて、特定の売り場に対して集客したことが成功の要因にあると思う、と話す柴田さん。実際足を運ぶことで、コーヒーを飲んだり、買うことを忘れていた商品を思い出して買うといった何かしらの消費行動が生まれるのね。
スマポを導入したアパレルブランドでは、スマポが使えるってことを友人に伝えたいと回答したユーザが83%、お店に対して引き続きスマポの導入を続けてほしいという回答が95%だったそう。
「ビックカメラの大型店舗では、スマポで月間にして10,000人くらい集客しています。定常的に実施しているものの中では、送客力のあるサービスではないかなと思います。」