あるときに年に2回、質屋のバーゲンが西東京の体育館で行われるということを知りました。質屋が20~30店舗集まってバーゲンをやるのです。知人の母親が質屋で働いていて、人手不足だったので手伝いに行きました。
お客さんも、半年に1回ということで心待ちにしていて、行列をつくって待っていました。僕が手伝っていた質屋も、その2日間で1,000万円もの売り上げを上げていて、これはすごいなと。ブランド品を安く売ることができ、それを心待ちにしている人がこんなに多いということを知って、「これをインターネットで販売したら、もっと売れますよ」とその質屋の社長に持ちかけました。社長はすぐに了承してくれ、ネット販売を行うことが決まったのです。
――その質屋ではどのような商品を販売していたのですか?
ルイ・ヴィトンのバッグを中心としたブランド品やジュエリーなどを売っていました。当時はまだインターネットでブランド品を売っているサイトはあまり多くありませんでした。
(株式会社もしもが主催している)もしも大学の学長をしているカリスマコンサルタントの竹内謙礼氏が「インターネットは、2001年までならバカでも売れた」という名言を発していますが、その言葉通り面白いように売れました。懸賞キャンペーンやメールマガジンにユーザーは敏感に反応していましたし、グーグルのアドワーズ広告も誰も手を出しておらず取り放題でした。いま楽天で有名になっているショップも、ほとんどが2001年以前にできて、初期の優良顧客を囲い込んでいるところではないかと思います。私の運営していたサイトでも開設1年半で月商2,000万円まで伸ばすことができました。
アフィリエイトで月収100万円を確保
しかしその後、徐々に質屋との関係が悪くなり、最終的には決別してしまいました。「さて、次に何をしようか」と考えた時にアフィリエイトが頭に浮かびました。ブランド品の販促の一環で、アフィリエイト広告を使っていたのですが、高額なブランド品を毎日大量に売っているアフィリエイターが何人かいました。彼らの稼ぎ方を調べてみると、きちんとSEO対策などを行っており、利益を上げるそのシステムに興味を持ったのです。
そのときはあまりSEOの知識はありませんでした。オイシックスでも、ブランド品販売でも、メルマガが販促の中心でした。メルマガは有効な販促手段ですが、顧客のメールアドレスを集めるためにはキャンペーンを行わなければならず、コストも時間もかかってしまいます。そこで、手早くローコストで集客が可能となるSEOを販促の中心にしようと考えました。
2004年3月にWebのデパート『ウェブデパ』というアフィリエイトサイトを立ち上げました。開始当初から売上は順調に伸び、8カ月で月収100万円突破、その後も順調に収入は伸びていきました。1年半後には月間流通額が約8,000万円になりました。
――すごい。何をやっても上手くいきますね。
ただ、これは私の言葉ですが、「アフィリエイトも2004年までならバカでも稼げる時代だったのです」(笑)。まだこの時期はSEOを行うにしても、ライバルが少なかったので、効果が上がりやすく、簡単に上位表示を実現できました。

