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業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

学生時代に月商2,000万円を稼いだ男が可能性を感じたアメリカ育ちのビジネスとは?

 この頃は、SEOがまだ成熟しておらず、カテゴリー名や商品名のような細かいキーワードは、ほとんど狙われていませんでした。まだまだSEO自体が模索段階の時代だったのです。

――それだけ儲けていたのになぜアフィリエイトを止めてしまったのですか?

  やりがいを感じられなかったことが一番です。確かにアフィリエイトではお金は入ってくるのですが、誰が買っているか分からず、お客様に売っているという実感がないので、やりがいがなかったのです。このままでは面白くないし、10年後もアフィリエイトを続けていけるかといったら、とてもそうは思えなかったのです。

 そんな時に、アメリカではドロップシッピングというビジネスモデルが流行っていることを聞きました。アフィリエイター時代から「本当はECをやりたいがリスクが高い」と思っていたのですが、まさに個人でもECを手軽にできるサービスだったのです。アメリカではECの30%がドロップシッピングによるものになっていると聞き、このビジネスは間違いなく日本でもはやると思ったのです。

 2006年の6月に「株式会社もしも」という社名でドロップシッピングサービスを開始しました。「もしも」という社名は、「もしも、こういうふうになれたら」と思いを持って頑張っている人を応援して、それを実現させていくという思いを込めて付けました。

――起業にあたっての資金はどこから調達したのでしょうか?

  ネットプライスから出資をしていただきました。知り合いだったオークファン社の武永社長から紹介していただいたのです。ネットプライスの佐藤社長と直接お会いさせていただき、出資のお話をさせていただきました。

 ネットプライスに出資を受ける時は、ネットプライスの子会社になるという条件だったので、いろいろと考えました。しかしビジネスを発展させていくためには、ある程度規模を大きくしないと話が始まりません。そのためにネットプライスのように、すでにECの仕組みと実績を作っている企業からいろいろと学ぶ必要があったのです。また、佐藤社長の人柄に惹かれたことも、出資をいただく決め手になりました。

――会社を大きくしたければ、規模の大きい企業を見習った方が早いと。

 はい。けれども私は会社の規模は大きければ大きいほど良いとは思っていません。他の企業を見ていても人数が一気に増えることでいろいろな問題が出ています。当面の目標は100人で100億円の売上を作ることです。どれだけこのドロップシッピングというビジネスモデルを仕組み化できるかが大事だと考えています。

――起業にあたり、事業は好調に成長したのですか?

 もしもドロップシッピングをリリースするまでは本当に売れるかどうか不安がいっぱいでした。しかもサービスリリース数日後にサーバーがダウンしたり、バグがたくさん起こったりとトラブルだらけでした。しかしサービス開始初月から予想以上に売上が上がり、開始3ヶ月目に「もしもドロップシッピングシッピング選手権」というキャンペーンを実施し、1番売った人には賞金100万円、さらに送料無料としたところ、売り上げが倍々で一気に伸びていきました。それからは売り上げは落ち込まずに伸び続けています。

 オイシックス時代にテレビで紹介されてから売上が急伸したように、事業はずっと右肩上がりに伸びるというよりも、きっかけがあって急激に伸びるものではないかなと思っています。そこでキャンペーンなどできっかけを作るように心がけています。

経営で重要なのは「どれだけ優秀な人に、どれだけ頑張ってもらうか」

――順調に成長してきていますね。会社経営していく上で最も重要なことはなんでしょうか。

  どれだけ優秀な人に、どれだけ頑張ってもらうかということだと思っています。手前味噌になりますが、弊社は社員には、かなり恵まれていると思います。そのまま社長をポンと任せても、やっていけるような者が何人かいます。

 優秀な人間が揃えば、社長の私が何もしなくても、みんなが勝手にやってくれます。これはアフィリエイトと同じ状態ですね(笑)。私はみんなが仕事をしやすいように自由な環境を用意したいと思っています。

「社長を任せられる社員が何人もいる」と実藤氏が話すもしも社内は、
30数名全員がワンフロアにデスクを置くフラットな職場環境

――起業したいと思っていても躊躇してしまう人もいると思いますが、何かアドバイスをお願いします

  もし20代の若い方や、学生の方で起業したいと思う人がいたら、ビジョンや戦略が固まりきっていなくても、まずは起業してしまうのがいいと思います。始めの一歩を踏み出せば、そこから先はどんどん視界が開け、ビジョンや戦略が明確になるものです。リスクという壁も止まっていると高く見えますが、歩きだして近づいてみると意外と低く、簡単に超えられたりします。

 ただし、小資本で始める場合は、在庫が必要だったり、リスクが高い分野の起業は難しいです。その点、ネット系のサービスというのは、小資本で始められるものが多く、障害は少ないものです。人件費の問題もありますが、「仕事が楽しければ報酬は少なくてもいい」という人を探すのも大事だと思います。

 私もアフィリエイトを始めた時には、友人に無料でサイトを作ってもらいました。「もしも」のシステムを立ち上げる際には、知人のつてで優秀な学生2人と出会うことができました。1人は5歳のときからパソコンをいじっていて、「趣味はデータベースです」という者で(笑)、もう1人も中学3年生のときにシューティングゲームを作った経験をもつ兵です。あきらめずに探し続ければ、優秀な人材と出会えるチャンスは必ずあると思います。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/09/14 10:00 https://markezine.jp/article/detail/1741

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