O2Oには昔から取り組んでいる

── 昨今O2Oがバズワードになりつつあります。住宅展示場への送客シナリオなどはどのように構築しているのでしょうか。
まず、弊社はWebサイトを開設した時からオンラインからオフラインへの送客目的でWeb戦略を構築しています。昔から行っている資料請求についても、Web登録を促しカタログを発送すること点から言えばO2O領域であると言えます。
耐久消費財は、事前によく調べてから購入検討する消費財の一つです。住宅展示場には弊社含め様々な会社さんがモデルハウスを展示しておりますが、お客様に見てもらえるのは2、3社です。その中で大和ハウス工業のモデルハウスを見学したいと思っていただかないといけません。そのためには、ブランド好感度をアップさせることが必須となりますが、ブランド好感度をアップさせるには様々な要素が絡んできますので、テレビCMを多用すればよいというものではなく、オンライン、オフラインをクロスさせた施策が重要となります。
── O2O戦略を実現する際には「スマホ」「アプリ」「ソーシャルメディア」といった要素が重要になると考えられます。それぞれの活用についてどのようにお考えでしょうか。
まず、スマホは次世代の核となるデバイスになると思っております。また、電話機能(話す)と検索機能(GPS)というPCプラスアルファの機能を兼ね揃えていますので、住宅展示場等にお越しいただくための機能が揃ったデバイスという印象です。
最近の傾向として、資料請求の反響率を見ているとPCよりもスマホのほうが高い傾向にあります。それほど広告投資を行っていない状況の中で、フィーチャーフォンよりもアクセスも資料請求も増えてきているという点が興味深いですね。

アプリに関しては、開発・リリース後のコミュニケーションが非常に難しいと感じています。アプリの認知を広げ、利用促進し、継続して利用していただくためにはリソース・タスク量、双方の面で大きな負担がかかる印象です。そもそも、住宅というものは常日頃から探すものでなく、ある一時期に集中して調べる商材のためブラウザ対応で充分かなという印象です。アプリ活用があるとすれば、社員が商談用に使うアプリなどは今後あり得るかもしれません。
ソーシャルメディアは、弊社の世界観が表現しやすいサービスを選んで活用を進めている最中です。室内写真や外観など、住宅に関する写真は豊富にあるのでそういったコンテンツをメインに投稿しておりまして、Facebookページはおかげ様でいいね数が5万を超えておりまして、エンゲージメント率も非常に高い傾向にあります。いいね!数/投稿数は多く退会も低いのが特徴と言えます。
Pinterest活用もその一環です。写真で訴求するにはよいソーシャルメディアですよね。逆に、Twitterはテキストベースのサービスとなるので活用していません。「写真+コメント」が私たちの重要なファクターです。