テレアポ代わりに、まずは「ログ集計」からスタートするキャリア
淵上 当社はトレーディングデスク事業にフォーカスしているので、メンバー全員が広告運用をゼロから経験します。新入社員はまずテレアポから、といった習慣が広告代理店では残っているところも多いですが、我々はテレアポの代わりに、配信ログの集計作業から入ります。
佐藤 テレアポ修行ではなく、ログ集計修行。おもしろいですね。
淵上 そこから、ログ分析→レポート作成→各種パラメータ調整→アカウント構造の設計→提案作成といった形で、やれる領域を徐々に広げていきます。その中できちんと成果を出した人間が、お客様の前に立てるという具合です。基本的には、ひとつ上の領域をやっている人間が下を教育していきます。
佐藤 キャリアパスと、スキル成長を生み出す仕組みがあるんですね。
淵上 はい。アドテクノロジーの領域では、営業するだけでなく、複雑なプロダクトや運用ノウハウの理解があってはじめて、お客様にご提案できる資格があると思っています。運用担当者と、彼らをまとめる営業担当を、組織的にハイスピードで育成していく仕組みが我々の強みと言えますね。現在、トレーディングデスク運用チームは、20名以上の規模になっています。
佐藤 2年前に取引開始した際はお2人だった記憶があります。ものすごい成長ですね。
淵上 やはり、質の高い運用や、アドテク運用のバックグラウンドがある提案が、特にDSPの登場を境にディスプレイ広告の世界でも求められるようになった、ということでしょうか。
競合企業からも! 他社トレーディングデスクからの運用依頼
佐藤 お取引先は、広告主中心ですか?
淵上 事業開始時点では、直販が中心でしたが、最近では競合と考えていた広告代理店や他社トレーディングデスクから運用委託を受ける機会も増えてきました。
佐藤 他のトレーディングデスクからの発注があるのはおもしろいですね。
淵上 やはり、運用担当者の継続的な育成という点で、悩んでおられるところが多いのではないでしょうか。特に立ち上がりのタイミングでは、どうしてもリソース不足に陥ってしまうのでしょう。多くのテクノロジーが毎月のように登場するだけに、それらに習熟しながら新しいものをキャッチアップしていく体制をつくることは一朝一夕にはできません。