「ピアスはなくすから売れる?」宝石業界の考え方にギモン
Chrysmelaのピアスキャッチは、ピアスの材質によって個体差があるものの、性能テストで8kgまで止めることができた。ピアスポスト(ピアスの棒部分)は0.7~0.9ミリとピアスによって異なるものの、ピアスロックは0.6~1.1ミリまで対応。ワンペアあれば、ほぼすべてのピアスに対応できる。

商品は素晴らしいものの、はずれにくいピアスキャッチのお値段は4,980円。ピアスの平均購入単価が3,000~5,000円ということを考えると、その付属品ともいえるピアスキャッチに約5,000円はちょっぴり高い気もする。ピアスキャッチはリピート商品ではないため、新規顧客を開拓し続ける必要がある。宝石店に卸して、ピアスと一緒に販売してもらえないかと考えた。ところが、ピアスキャッチはあくまで付属品で、納入の段階で1円もしないものというのが当時の考え方。宝石店からは、誰がそんな高価な付属品を買うのか?という意見が大多数。
「宝石業界、特に経営者には男性が多くて、皆さんピアスがどれくらいの頻度で落ちるものなのかわからない。ビックリしたのは、“落としてくれなきゃ次が売れないじゃないか”という声。落としたからといって同じところで買うとは限らない。それに、ピアスの単価が3,000~5,000円に留まっているのも結局落としてしまうから。なくしてしまう可能性があるから、安いものでいいわっていう悪循環だと思いました。」
まずネットで販売実績をつくり、顧客の高い満足度を獲得することで、なくしてしまう消耗品に近い存在から、長くつけられる大事なピアスへと価値を変えていった。また、さらなる改良が続けられているんだそう。5月に発売を予定している新商品は、現状少し大きいとの声もあるピアスキャッチのサイズを5.4ミリから4.9ミリと10%縮小したもの。加えて、商品の外観からはわからないバネの改良などにも対応している。
仕事も子育ても、自分なりに模索しながら前へ進んでいく
少し前に話題になったクリス・アンダーソンの著書『MAKERS』。MAKERS(メイカーズ)というのは、“欲しいプロダクトを自ら作る人”。菊永さんはまさにその先駆け的存在だといえる。そんな彼女は、昨年お子さんを出産し、仕事と子育てを両立する起業家ママでもある。出産前に、自宅を事務所兼自宅にし、子育てをしながら仕事ができる環境を用意した。また、まだ7ヶ月のお子さんとを連れて仕事ができるコワーキングスペースも活用しながら、状況に合わせて働き方を調整しているそう。
女性起業家であり母親。子連れで働ける新しい仕事や環境のあり方という意味でも、これからのあるべき形を体現している方だなーと思った。そして何より、起業してサービスではなく「物」、しかも世の多くの女性を悩ます大きな課題を解決してる。これまでに10万人以上の女性が活用する「はずれにくいピアスキャッチ」は、きっと、これからも多くの女性を笑顔にしてくれることでしょう。彼女、奥様に気の利いたプレゼントをしたいという世の男性諸君は、はずれにくいピアスキャッチをそのリストに加えると良いと思うのです。