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テレビCMの投下量と検索数、そして売上げとの相関関係は?オフラインアトリビューションの基本【アトリビューション編:第6回】

 これまでの連載では、オンラインのアトリビューション分析を中心に解説してきました。最終回となる今回は、テレビCMなどマス広告も対象にしたオフラインアトリビューションについて、その基礎的な考え方を説明していきます。(バックナンバーはこちら)

オフラインアトリビューションの始まり

 私がオフラインアトリビューション関連の仕事に関わるようになったのは2004年からでした。インターネットの登場によって、世の中に流通する情報の量が爆発的に増え、その結果、テレビなど従来のマスメディアの価値が相対的に低下してきたころです。消費者の意思決定プロセスとして、従来のAIDMAモデルに代わってAISASモデルが提唱されたのも、この頃でした。AISASモデルの提唱者である秋山隆平氏の著書『情報大爆発』で、このような情報過剰時代の状況とメディアの価値の低下について解説されていますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。

 2004年当時、私自身はオーバーチュア株式会社(現ヤフー株式会社)でリスティング広告の拡販に従事していました。そのため、ヤフーの検索データにアクセスできる立場にありました。そこで、総合広告代理店2社の協力を別々に得て、テレビCMの投下量と検索数の関係について調査するプロジェクトを企画し、約2年間かけて1万本ほどのテレビCMを対象にして、テレビCMの中で紹介された商品のブランド名やコピー、そのほか、関連キーワードについて検索数の日別推移を調べました。

 なぜ、このような調査をおこなったのでしょうか。私の立場では、テレビCMに関連するキーワードで検索する人がたくさんいるとすれば、テレビCMを打つときには同時にリスティング広告もおこなうことで、広告主企業のウェブサイトに効果的に消費者を誘導できると思ったからです。そして、その結果、リスティング広告を利用する広告主が増加すると思ったのです。つまり、テレビCMのパワーに便乗して、リスティング広告の売上を上げることを狙っていたわけです。

 総合広告代理店2社が協力してくれた理由は、マス広告の価値、とくに、テレビの価値が低下しているといわれるようになり、広告主のテレビCM離れが起こっていたため、それに歯止めをかける方法を探していたからだと思います。つまり、テレビCMの効果をなんらかの形で示していく必要性に迫られていたのです。テレビCMの効果をきちんと示せなければ、高度成長期みたいに効果なんか気にせずテレビCMを買ってくれる広告主は減少していく一方で、総合広告代理店の売上も落ちていってしまうことになるからです。

テレビCMの投下量と検索数の関係は?

 テレビCMの投下量と検索数の相関を調べることからはじまりましたが、その後、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告、交通広告、屋外広告なども対象にした調査も経験しました。

 おそらく、多くの読者の方が目にしたことがあると思いますが、テレビCMや新聞広告、雑誌広告、交通広告、屋外広告などに検索ボックスを付けてキーワードを訴求するようになったのは、この総合広告代理店2社との共同調査がきっかけです。

 では、調査結果はどうだったのか?気になるところですよね。最初はかなり苦労しましたが、いくつかの条件が揃えば、高い効果を発揮することが分かりました。逆にいうと、すべてが高い効果をあげているわけではないのです。非常に効果が高い場合もあるし、残念ながら広告主が期待したほどは検索を誘発していないケースもあります。

 期待はずれであっても、何もしないよりはよいとは思いますが、いずれにしても、マス広告に検索ボックスを付けただけで、簡単に、高い効果を出せるわけではないということは指摘しておきたいと思います。期待通りに高い効果を出すには、きちんとしたコミュニケーション設計が必要でしょう。

 ところで、テレビCMは検索を誘発することだけが目的ではないので、検索誘発数が少ないからといって、そのテレビCMの効果が悪いと考えているわけではありませんので、言い添えておきます。

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有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

zonari合同会社 代表執行役社長/株式会社ビービット マーケティング責任者/電通総研パートナー・プロデューサー/アタラ合同会社 フェロー早稲田大学政治経済学部卒。 1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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