14年度までにEC売上20億ドル目指す
「Gap」といえば高品質なアメリカンスタイルを追求したカジュアルファッションブランド。日本市場でもその知名度は高い。米ギャップの日本法人「ギャップジャパン」は94年の設立。第1店舗は銀座でスタート、今では直営店などを全国で見かけることができる、日本で最も知られたアパレルブランドの1つだろう。
米ギャップのビジネスモデルを基に現在の事業体を築いた「ユニクロ」、さまざまなアパレルブランドを取り扱うことで急成長を遂げた「ZOZOTOWN」運営のスタートトゥデイ…。アパレルのECを始める事業者が増加し、一部のEC業界関係者は「アパレルのEC市場は厳しくなりつつある」と見る向きがある。
そんな中、ギャップジャパンは12年10月、日本のEC市場に参入した。「Gap」ブランドを取り扱う「Gapジャパン オフィシャルオンラインストア」と、「Banana Republic」の「バナナ・リパブリックジャパン オフィシャルオンラインストア」を開設。運営開始から約10カ月が経った現状、そしてそもそもECを始めた戦略的な狙いは。
全体的な米ギャップのオンライン事業について説明したい。同社は97年に「GAP」のECサイトを開設。「Banana Republic」「Old Navy」といった複数のブランドを抱える米ギャップは、続いて「Banana Republic」を、00年には「Old Navy」のECサイトを立ち上げる。
米ギャップは「ECの開拓者的な役割を果たした」(イェン氏・写真右)という。
10年度に入り国際市場に進出。大きな転機と位置付ける同年、カナダで上述の3ブランドのECサイトを立ち上げ、イギリスで「GAP」「Banana Republic」を開設した。
同年、世界65か国に対して配送を可能にする体制を築いた。その流れは止まらない。11年には中国への店舗進出と同時にECサイトも立ち上げ、翌年、日本でもECサイトを開設した。
11年度のオンライン売り上げは約15億ドルで、総売上の約11%。米ギャップは14年度までにオンライン売り上げを20億ドルまで引き上げる計画を掲げている。日本を含めたアジア進出はその目標達成のための起爆剤となるのだろうか。