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EC化率10%超!ユナイテッドアローズのネットと店舗を連動させたO2O戦略の秘訣


直営オンラインストアを利用している顧客は店舗での購入額も高い

 では、同社の顧客は店舗と直営オンラインストアをどのように利用しているのだろうか?実際に調査したところ、同社では「直営オンラインストアを利用しているお客様は店舗での購買額も高い」ことが分かったという。利用客が共通だと、オンラインが実店舗の売上を奪っているケースもあるが、同社の場合は直営オンラインストアの利用顧客は店舗のみ利用顧客よりも年間で多く買い物をしていた。

 「店舗のみ利用されるお客様の年間購入金額は、直営オンラインストアも利用しているお客様と比較すると、店舗だけでは2.5倍、直営オンラインストアを合わせると2.9倍も多く購入していただいていました。つまり、店舗・直営オンラインストアを併用しているのはロイヤルティが高いお客様だったのです」

 そこで現在、併用顧客に注目し、この層を増やす施策に注力。それが前述した(1)実店舗連動の強化と、(2)店頭顧客に対する販促とEC会員化施策の実施、である。

 「実は、2009年に開設した現在の直営オンラインストアは第2号なんです」と相川氏は切り出す。2006年に第1号をオープンしたものの、軌道に乗らず翌年に撤退。その失敗で学んだことが、この数年の直営オンラインストア躍進に活かされている。

最初のサイト運営の失敗から得た知見

 「最初のサイト運営では、店舗とECを利用するお客様は別だろうと捉えていた点が誤りだったと思います。EC独自商品を調達し、組織も独立させ、そこで商品の撮影から出荷までのフルフィルメント業務をしていました。サイト名に「UNITED ARROWS」の冠もつけていなかったので、SEO的にも不利でした」

 それらを踏まえ、いわば正反対に展開したのが現在の直営オンラインストアである。基本的に実店舗で扱う商品を取りそろえ、各ブランドの事業部内に担当者を配置。実働はアウトソーシングした。

 コンテンツ面でも、実店舗と連動。例えば店舗スタッフのスタイリング紹介は、常にアクセストップ10に入る人気コンテンツだ。毎日のアクセス数のランキングを表示し、「複数購入を促すにも役立っている」と相川氏。また、直営オンラインストアの商品ページでは実店舗での在庫を表示し、現在は1.5時間ごとに更新。さらに、店頭の会員組織と直営オンラインストアの会員組織をひも付け、双方のポイント付与などで相互利用を促進している。

 直近の取り組みとしては、店舗スタッフの「商品検索用メモカード」の活用がある。店頭で試着や質問をしたが購入に至らなかった顧客に、名刺大のカードに商品番号を記入して、帰宅後などに直営ストアで見てもらおうという試みだ。

 「まだ購入のコンバージョンはわずかですが、検索されていることは把握できています。今後は、成果次第でカードを渡した店舗スタッフにインセンティブを還元できるよう検討中です」

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「ECでも店舗でも、どこで購入いただいても構わない」

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/08/24 15:02 https://markezine.jp/article/detail/18275

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