適切なルールのスピーディーな策定を可能にする「Rtoaster」の「スコア化」技術
ブレインパッドのルールベース・レコメンデーションシステム「Rtoaster」では一人一人のクリック行動をスコア化(点数化)しています。これによりデータ量は非常にコンパクトになり、「個」客単位でのアクセスログ解析を比較的容易に実現しているのです。
サイト訪問者一人一人のクリック行動をスコア化することで、例えば以下のようなレコメンデーションを実施することができます。
■ 購入回数が10回を越えており、サイト訪問回数も50回を越えるユーザがサイト来訪すると……
→ ロイヤリティ高いユーザへの限定キャンペーンの提示(限定の為、コストを抑えられる)
■ 10回以上サイト訪問して会員登録も済んでいるが、購入経験が無いユーザがサイト来訪すると……
→ 過去のクリック傾向、検索キーワードなどから特集ページへ誘導するバナー表示
■ 購入経験があるが、6ヶ月ぶりにサイト訪問したユーザに対しては……
→ 疎遠客向けの離反防止キャンペーンの提示(限定の為、コストを抑えられる)
では、Rtoasterなどのルールベース・レコメンデーションツールを利用した場合におけるレコメンデーション・ルール策定のポイントはどんな点でしょうか?
レコメンデーションによってサイト訪問者とコミュニケーションを図る手法(メソッド)には様々な切り口ありますが、ここでは一例として、サイト訪問者の訪問回数によって変化する、ルールベース・レコメンデーションで扱える主なデータ項目についてお話します。
以下の図のように、初回訪問ユーザ/リピート訪問ユーザでは、レコメンデーションする際に利用できるデータソースに大きな違いがあります。
初回訪問ユーザに対するレコメンデーションのポイントとしては以下のような点があります。
- 原則として、利用できるデータが少ない(データマイニングなどの統計的なレコメンドよりも、マーケティング戦略・企画を重視する傾向が好ましい)
- 初回訪問の方に何を訴求したいのか?初回訪問の方にはどうサイト内を遷移して欲しいのか?サイト側の施策として明確なコミュニケーション・シナリオの策定が必要である
リピート訪問ユーザに対するレコメンデーションのポイントとしては以下のような事項に留意する必要があります。
- リピート訪問ユーザはサイト利用経験の大小にて、コミュニケーション・シナリオの策定が重要である
- 初回訪問ユーザへのレコメンデーションで考慮した、検索キーワード、リファラ(参照元)などに加え、「ステージ」という軸を中心としたレコメンデーションを検討することが重要である
- サイト利用経験が豊富なユーザに対しては、検索キーワード、リファラサイトよりもクリック行動(サイト内での動き)からのレコメンデーションを重視した方がよい(検索キーワードの入力は少なくなるか、もしくは社名などでの流入が多くなる)
また、Webサイト内だけでなく、Webサイト以外のプロモーション、宣伝広告戦略、ブランド戦略と密接に関わったレコメンデーションを実施することで、顧客とのコミュニケーション・シナリオの精度を上げ、ブランド力、Webサイトの価値を高めていくことができます。
レコメンデーション実施後は、適切な効果測定・検証を行ない、レコメンデーション・ルール、コンテンツを評価、改善していくPDCサイクルを運用していくことが大事です。
ただ、レコメンデーションの効果測定・検証は従来のアクセスログ解析ツールだけでは不充分です。従来のアクセスログ解析ツールによるレポートは、Webサイト全体の運営に関わるKPIと成り得るデータではありますが、レコメンデーションの効果測定においては、よりサイト訪問者単位、コンテンツ単位に落とした効果測定を行なうべきです。従来のサイト評価指標とは異なる、Webサイト戦略に合わせたレコメンデーション効果測定指標を策定することが大切なのです。
レコメンデーション実施後の効果測定の指標については以下のような点に留意する必要があります。
- 初回訪問ユーザ向けのルールの適用回数の推移
→ 上昇していれば、初回訪問者が増加しているといえる - 初回訪問ユーザ向けのルール適用時のクリック率(コンバージョン率)
→ 下降していれば、初回訪問者へ対してレコメンデーションするコンテンツを早々に見直した方が良い
このように、設定した様々なレコメンデーション・ルールに合致するサイト訪問者の数が、どのように時系列で推移しているか?について検証していく必要があります。また、各レコメンデーション・ルールに合致したサイト訪問者に対して、どのようなコンテンツ(情報)が効果的だったのか?についても検証していく必要があります。つまり、Webサイト全体ではなく、「個」客単位での効果測定指標が重要なのです。
これまで、アクセスログ解析からのルールベース・レコメンデーションにおいて述べて参りましたが、重要なポイントを総括すると以下の点が挙げられます。
1.サイト訪問者の「進化モデル」(コミュニケーション・シナリオ)を持つことが重要
- サイト訪問者の「顧客像」を明確にし、コミュニケーションを図ることを意識する
- ダイアログ・マーケティングやペルソナの概念を採用する場合には顧客像に合わせたレコメンデーションを意識する
顧客が求めているコンテンツ(情報)を訴求できているかを常に考慮する
- レコメンデーションはルール以上に訴求するコンテンツが重要
- 顧客データ(スコア)に振り回され過ぎると分析が目的化されてしまい、顧客が求めていることを見失う。顧客に求められるもの(コンテンツ、企画)を常に提供し続ける発想を持つこと
適切な運用体制によってレコメンデーションを継続的に実施する
- 何を目的としたレコメンデーションなのか?効果測定指標、KPIを明確に定義する
- 企業全体のプロモーション戦略と連携したレコメンデーションとなっているかどうか検証する
- 適切なPDCサイクルの運用によってコミュニケーション・シナリオの管理、レコメンデーションの効果検証を継続的に実施する
以上となります。
ブレインパッドはルールベース・レコメンデーションシステム「Rtoaster」の提供をはじめ、データマニング技術、最適化エンジンをコアとして、お客様ビジネスに貢献できる価値あるサービスをご提供できるよう尽力して参ります。
ASPで手軽に導入できるレコメンデーション・システム「Rtoaster」の詳細はこちらのサイトもご覧下さい
→ http://www.rtoaster.jp/
株式会社ブレインパッド
→ http://www.brainpad.co.jp/