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「イノベーションを起こすために必要なのは、編集・デザイン力だと思う」、エンジニア竹中直純の仕事


 9月に行われた「アドテック東京」で、ある小さなセッションが行われた。エンジニアとしてボーダーレスな活動を続ける竹中直純氏、ヤフーのマーケティングを牽引する友澤大輔氏。「イノベーションとは何か」という基本的な問いから、それぞれの体験をもとに議論を行った。

竹中直純、その仕事と思想

 今年も大いに盛り上がった「アドテック東京」。会場となった東京国際フォーラムの1室で「イノベーションて何?」という小さなセッションが行われた。Yahoo! JAPAN マーケティングイノベーション室 室長である友澤大輔氏の隣に若い僧侶のような容貌の男性が座っている。

 竹中直純。彼のボーダーレスな活動はとても一言では語れない。1995年に日本のインターネット史上初の試みとなる、坂本龍一氏の武道館ライブのリアルタイム配信を実現。インターネットという通信技術を、音楽、アート、エンタ-テイメントと結びつけるための試みが繰り返される中で、常にその活動は注目を集めてきた。

 以降も、未来検索ブラジルで高速検索エンジン(Senna)、オンライン通貨(モリタポ)を開発、1週間分のテレビ番組を録画する「SPIDER」を開発したPTPの立ち上げ、電子書籍(BCCKS)、音楽配信(OTOTOY)など、数多くの先進的なプロジェクトに関わってきた。また、NHKがはじめてTwitterをテレビで取り上げたときに出演して解説したのも竹中氏だったという。

 「全部自分でつくって、自分で育ててる系の人です」と語る竹中氏は自身をシンプルに「エンジニア」と定義し、「他社のご要望があれば、なんでも受注してつくる」という。その案件のひとつが友澤氏がニフティ在籍時に企画したサービスだった。

 「当時日本にあった5億~6億ブログすべてをクローリングして形態素解析を行って、ネガティブ/ポジティブを出してクライアントにレポートするというサービスを考えた。強引にも『リアルタイムでやるんだ!』と無邪気に言ってたときに助けてくれたのが竹中さんだった」(友澤氏)。

 友澤氏は「今日は竹中さんという人を、ぜひ皆さんに覚えてほしい。そして今回、イノベーションというテーマのセッションに、なぜ竹中さんがブッキングされたのかを理解してほしい」と会場に語りかけ、ふたりの対話が始まった。

イノベーションって、何なんですかね?

 友澤氏が「竹中さんが考えるイノベーションというのをぜひ聞いてみたい」と口火を切ると、竹中氏は「イノベーションって、何なんですかね?」と返す。そして「昨晩、眠りに落ちる5分前くらいに考えたことなんですけど」と前置きして、語り始めた。

竹中直純氏

竹中:イノベーションということで誰でも思いつくのは、最近だとiPhoneとかスマホですよね。スマホで地図や天気を調べている人たちは、「これは革新的だ」と思わずに当たり前のものとして使っている。80:20の法則と言いますけど、(大多数の)rest of usの人たちが知らないうちに受け入れているもの、かつ技術的な革新があると「イノベーション」と言われると思う。

 最近のウェブやテレビの広告では、モノを大きく写して商品名を連呼したり、有名人を使うという王道が崩れてきている。広告のイノベーションが知らないうちに、テレビを見ている人たちに刷りこまれている状況だとすれば、常にイノベーションという“塊”があるのではなく、イノベーションという“布みたいなもの”が、僕たちの生活のまわりにまとわりついているのかなと。

友澤:よく、イノベーションには「革新的なイノベーション」と「持続的/漸進的イノベーション」のふたつがあるという議論がある。イノベーションの話をすると「革新」のほうに振れがちですが、「漸進的/持続的」イノベーションのほうが意外とビジネスになる。しかし、そっちの話にならないことが多いんです。

竹中:漸進的、少しずつ進むイノベーションが、僕は実はすべてだと思ってるんです。たとえば、iPS細胞は山中教授が急に見つけたわけじゃなくて、ずーっと積み上げがあったわけですよね。どこでイノベーションが起こるのかというのは、僕らがその出来事に対してどれくらいの感覚を持ちうるかということだと思う。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2013/10/23 19:28 https://markezine.jp/article/detail/18549

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