やりたいこと-今の状態=やるべきことが見えてくる
――まず、現在の御社の事業構造について教えてください。
大まかに言うと1.PCゲーム事業、2.スマートフォンゲーム事業、3.新規事業、の3つの大きな軸があって、その軸の中で幾つかの事業が同時進行しているといった状況です。
PCゲーム事業はハンゲームという大きなくくりがあります。お客様に楽しんでもらえるメジャーなものに集中したいと考えていて、その視点からチャネリング事業、共同開発、パブリッシング事業という3つの軸で進めています。それからスマートフォンゲーム事業は、LINEゲームとそれ以外のゲーム事業、新規事業としては、comicoというWebコミックサービスをはじめました。
――PCゲーム事業の構造について教えてください。
まず、チャネリング事業とは、ゲーム開発会社さんが独自で作ったゲームを、弊社のプラットフォームで提供するというものです。共同開発は、共同してゲームを開発するということで、例えば数々のヒット作をお持ちのレベルファイブさんと共同で「イナズマイレブン オンライン」のゲーム開発を手掛けていたりします。コンテンツはレベルファイブさんが、サーバーのテクノロジーは弊社という役割分担で、それぞれのノウハウをうまくガッチャンコして行う事業ですね。
最後のパブリッシング事業とは、海外のゲーム会社さんと契約し、海外のゲームを持ってきて日本で販売するという事業です。韓国のゲーム会社と契約した『ダンジョンストライカー』などがこれにあたる事業です。
―― スマートフォンゲーム事業は主にLINEゲームでしょうか。
そうですね。LINEゲームと、通常のゲームを、2:1くらいの割合(LINE:それ以外)で制作しています。
―― 最後のcomicoとは?
これは、オリジナルコミックを集めて、無料で提供するWebコミックサービスです。実は、従来からキャラクターのIP(Intellectual Property/知的財産)獲得には注力していまして。そこで、ゲームとコミックはもともと親和性が高いので、comicoのようなサービスで作家さんを集め、それがメジャーになり、そのままゲームになっていけば良いな、という期待をこめて始めました。
―― なるほど。スマートフォンゲーム事業についてもう少し詳しくお聞かせください。市場の変動が大きいゲーム業界ですが、そこにスマートフォンが登場しました。今後さらなるマーケットの変化が予想されますが、そこで勝ち抜く戦略や、意識されている競合さんはいらっしゃいますか?
競合はあまり意識していません。事業計画もがっちり固めているわけではありません。というのも、自分たちがやりたいことというのがはっきりしているので、そこに向けてやっている、やっていく、というビジョンで動いています。つまりは、自分たちが望んでいる姿というものがあって、現状がある。そこのギャップをどのようにして埋めていくのか、そこをどれだけ楽しめるか、ということだけ考えています。
―― 競合調査、つまりマーケティング的な側面はあまり意識されていないと?
もちろん全くないわけではありません。お客様の楽しみ方は人それぞれなので、それを前提としてどこにフォーカスを置くかしっかり考えた上でのゲーム作りというのは心がけています。ただ、本当に「これやばくない!?」といった圧倒的に面白いゲームが出てきたら、勝手に口コミで広がると思うんですよね。パズドラは正にその典型。だから、結局のところ大切なのは、面白いか面白くないか、だと思います。というか、そう信じています(笑)。