何となく漫画を卒業したあなたに贈るWebコミックサービス「comico」
―― では次に、「comico」のねらいについて、もう少し詳しくお聞かせください。
まず第一に、CGC(Consumer Generated Content)機能を持った、Webコミックサービスである新規事業の成功を期待しています。先ほどお話したIP展開の魅力という理由に加えて、もう一つは、力のある作家さんが力を発揮する場を作りたい、との思いがあります。元々日本はコンテンツ開発力が強い国だと思うのですが、力のある作家さんがその力を披露する場が限られているのではないでしょうか。そういう作り手と、おもしろいものを望んでいる読者さんを繋ぐ場所になればと思い、comicoをスタートしました。
―― クリエイターさんは誰でも投稿できるのですか?
はい、そうです。実はフェーズが幾つかに分かれていまして。現状は一つ目のフェーズとして、弊社が選び契約した作家さん56名の連載作品だけが読める形になっています。他方、次のフェーズとして一般の方々も自由に投稿できるような場所が来週オープン予定です。
―― 読むのも無料ですよね?
はい。会員登録なしで無料で読めます。10月17日にWebサービスがオープンし、10月31日にスマートフォンアプリがリリースされたばかりですが、早速「縦スクロールが見やすい」といった口コミをいただいています。従来の漫画のコマ割ですと、スマートフォンで見た際に1コマ1コマ拡大して見なければならないのですが、縦スクロールだとその手間がない。その点は画期的なシステムだと言えます。
また、作品にコメントを投稿することができるので、お客様の反応を作家さんがキャッチできるという利点があります。それが良いスパイラルになり、更に面白い作品になっていけば嬉しいですね。
―― 加藤さんご自身も漫画はお好きなんですか?
好きですね。ただ、昔は小遣いで漫画コミックを買い、毎週楽しみに読むなんてことがあったけれど、今では自分で能動的に買う習慣はなくなりました。今も漫画は好きなのに、いつのまにか漫画を卒業してしまった。こんな私のような人って、意外といるのでは? と思うんですよね。そういった方々にもう一度、漫画を読む習慣を取り戻してほしいなと思っています。
―― 確かに多いかもしれません。私もその一人かも(笑)。
