Webをじっくり読むユーザーには要注意!
Web上では、<文章(もちろんコピーも入ります)は、きちんと読まれない>が常識である。ところが、じっくり読んでくれる人もいる。それはうれしいですなと喜んでしまいそうだが、そういう読み方は、情報発信をする側にとって大きなリスクになりかねない。
実は文章をじっくり読む人とは、文章を読むのが苦手という人である。漢字が読めない、言葉の意味が分からないのではなく、文章を読んで理解するのに時間がかかる人である。
MarkeZineの読者のように、読解力を含めたネットリテラシーが高い、あるいは平均以上の人にはピンとこないかもしれないが、そういうユーザーは確実にいる。ふだんあまりWebを使わない中高年、高齢者も入れてよいだろう。
もしWebに最適なライティングがなされていなければ、彼らは重要な情報にアクセスできない恐れがある。これは情報発信側からすると、伝えたいことが伝わらないというリスクである。つまり、双方とも損を被ることになるのだ。
そこでリスクの回避策が必要になるが、Webユーザビリティの専門家、ヤコブ・ニールセンが<識字能力の低いユーザー>に対するライティングについてアドバイスをしているので参考にしよう。
じっくり読む人は、以下のような読み方をする傾向がある。
- 流し読みでは内容が理解できない
- そのため一語一語、一行一行ゆっくり読み進める
- それゆえ、視野が狭くなり、読んでいる文字列以外は目に入らない
こうした人は、具体的にどのようなリスクを被ることになるか。日々ディスプレイのクオリティは向上しているが、基本的にPCやタブレットでの閲覧は印刷物と比べると時間がかかることはニールセンの調査で明らかになっている。
それでもじっくり読もうとすると読み疲れが出てくる。閲覧が面倒になり、離脱してしまう。その結果、すべてを読むことができないため、情報の取捨選択もできず、一番知りたい情報にアクセスできないことがある。
また、じっくり読むことで視野が狭くなると、知りたいキーワードを察知することができにくい状態になる。さらに理解に時間がかかる人は、簡潔ではない文章を読むと、文脈をつかむことができずに内容が把握できない恐れもある。
こうしたリテラシーのユーザーに、スラスラ読んでもらうには、デザインやレイアウトだけでなく、ライティングの工夫も必要である。ポイントは、これまで繰り返して言ってきた<Webは読まれないを想定した書き方>と同じで、さらなる徹底が必要だ。
解決のポイントは小学生、中学生レベル
ニールセンは、そのポイントについて、重要なページ、ランディングページには小学6年生レベルを、その他では中学2年生レベルの平易で簡潔な文章を書くべきだと述べている。さらに、情報には優先順位をつけるべきだとも言っている。かいつまんで話すと、小学生、中学生でもわかる文章で、大事なことは冒頭など最初に言っておく(あるいは見せておく)ということになる。
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