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マーケティングオートメーションの最新動向を探る

マーケティング自動化によって「マーケティング活動の主導権を企業に取り戻す」【中編】「IBM Enterprise Marketing Management」と「Adobe Marketing Cloud」

 マーケティング自動化の目的のひとつは「マーケティング活動の主導権をアウトソーシング先から企業側に取り戻すこと」。大手ITベンダーによる買収攻勢はどこへ向かうのか、谷川耕一氏が独自取材でお届けする。中編ではIBMとアドビ システムズを取り上げる。(前編はこちら)

マーケティング活動の主導権を企業側に取り戻す

 IBMは2010年6月にWeb解析とデジタルマーケティングツールを提供するCoremetricsを、8月にはクロスチャネル・キャンペーンマネージメントツールのUnica Corporationを買収。これらの企業の製品をコアとする「Enterprise Marketing Management(EMM)」というソリューションを構築し、同時にそれを扱う専門部隊も立ち上げた。その後も2012年に顧客体験アナリティクスのTealeaf Technologyを、2013年にはモバイルプッシュソリューションのXtifyを買収し、マーケティングオートメーション関連ソフトウェアのラインナップを充実させている。

 EMM部隊の目的は、各業種へのマーケティングオートメーション・ソリューションの提供だ。ここで鍵となるのが、オンライン、オフラインを問わずにマルチチャネルを統合し、マーケティング業務「全体」を効率化すること。これを実現するプロセスは以下のようになる。

  1.  最良のマーケティングアクションを決定
  2.  魅力あるメッセージを配信し反応を探る
  3.  マーケティングプロセスを管理し、結果を測定
  4.  各顧客のプロファイルデータをさらに収集
  5.  得られた情報から実用的なインサイトを見つけるための分析

 この5つのプロセスで構成されるマーケティングのライフサイクルを回すことが、まさにマーケティングオートメーションを実現することでもある。

 従来、日本ではマーケティング活動の多くの部分を広告代理店などのアウトソーシングの力に頼ってきた。クリエイティブ作成や広告出稿手配だけでなく、どういう広告をどのように打つのかといった企画や計画部分までもがアウトソーシングされることも珍しくない。

 そういった状況から脱し、限られた予算をデジタル化によって有効活用し、マルチチャネル化している顧客との接点を最適化する。そしてもっとも効果の高い手法を選択して、メッセージを顧客にタイムリーに届ける。これにより、マーケティング活動の主導権をアウトソーシング先から企業側に取り戻す。これも、マーケティングオートメーションの目的だとIBMは言う。

Unica Campaignで担当者自らマーケティングのクローズドループを回す

 IBMのマーケティングオートメーションにおいて、セルフサービスで顧客に最適なメッセージを届ける際に重要な役割を担うのが「Unica Campaign」だ。これは、「マルチチャネル・キャンペーンマネジメント・ソフトウェア」と呼ばれ、電子メール、ダイレクトメール、カタログ、アウトバウンドコール、Webサイトなどあらゆるチャネルに対応する。パーソナライズしたキャンペーンを設計して、それを実行してレスポンスを取得し、効果測定を行う。そうして集まったデータを分析して、新たな計画に反映させることができる。

 Unica Campaignは、プログラミングの知識がなくても操作できるGUIをはじめ、一度作成した施策をテンプレート化して再利用したり、設定した日時や頻度、間隔で施策を自動あるいは定期実施できるなどさまざまな利便性を備えており、マーケッターはより戦略的な業務にリソースを割くことができる。また、多彩なレポーティング機能で容易に可視化できることも付け加えておく。

 とくに電子メールについては機能が充実。パーソナライズしたメールの作成を簡単に行えるほか、ツールの中で条件によりテキストを変更したり、メール内にパーソナライズしたフィールドを自動的に設定することもできる。クライアントごとに作成したメールがどのように表示されるかも確認可能だ。配信して終わりではなく、これらの機能を駆使して配信結果に基づいた継続的なフォローを自動的に行える仕組みを持っている。

 Unica Campaignは単独で利用できるが、Webおよびモバイルサイトでの行動履歴の統合管理を行う「Marketing Center」や、Web上での行動分析を行う「IBM Coremetrics Web Analytics」など他のツールと組み合わせて使うことで、より効果的にマーケティングオートメーションを実現できるようになる。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにしたソフトハウスの経営とライターの二足の草鞋を履いている。DB Online チー...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/04/01 10:00 https://markezine.jp/article/detail/19478

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