今年のテーマは「Big Data for Marketing」
3月16~20日に、サンフランシスコでマーケティングアナリティクスのカンファレンス「eMetrics Summit 2014」が行われました。
2002年から始まった「eMetrics Summit」は、デジタル解析の最新動向の調査、標準化などを推進する非営利団体DAA(Digital Analytics Association)が中心となり、年間6~8回、アメリカ各地で開催されています。今年は「Big Data for Marketing」を掲げ、ビジネス、マーケティングに活かすデータアナリティクスの活用事例、方法論についての講演が行われました。
今回は、以下の6つのテーマでセッションが行われました。
- Mobile:モバイルに特化したウェブ戦略、解析の事例
- Management:アナリティクスに関わる組織の最適化
- Social:ソーシャルメディアデータに関わるデータアナリティクス
- Tech:デジタルマーケティングを最適化する最新テクノロジー紹介
- Web:ウェブコンテンツ最適化、ユーザー体験のベストプラクティス
- Strategy:アナリティクスに関わる人材のキャリア
テーマには変化が見られ、昨年の「Reach」「Search」の代わりに「Management」「Strategy」というテーマが新設されました。
本レポートでは、筆者が参加した主要セッションを紹介しながら、日本でデジタルマーケティングに携わる者の視点から、今回のイベントのメッセージをまとめます。
成熟とエコシステムの完成
今回のサミットから受けた印象をまとめると以下の2つになります。
- データアナリティクスの成熟
- 組織におけるデジタルマーケティングエコシステムの完成
昨年は「eMetrics 2013速報レポート」にもまとめたように、企業や組織におけるデータの収集・活用方法や、データサイエンティストの配置を含む組織づくりなどに焦点を当てていました。
しかし今年、筆者が受けたメッセージは、成熟とエコシステムの完成です。
データ収集と解析を実現する新しい技術に会場が沸いたり、マルチデバイスデータとその他データのマッシュアップによる新発見などが話題の中心になることはありませんでした。今回のeMetricsの中心は、すでに成熟したデータアナリティクスの活用と、完成したデジタルマーケティングエコシステムの成果を伝えることでした。