「ビジネス」と「データ」の優先順位を間違えるな
初日のキーノートは、Googleのデジタルマーケティングエバンジェリストである、Avinash Kaushik氏のセッションで始まりました。氏は、毎年Googleが開催する Google アナリティクス サミットでもおなじみで、データ解析の講演者として非常に有名です。

セッション冒頭から強調していたのは「データ」と「ビジネス」の優先順位です。企業や解析に関わるメンバーが「データ」を最優先にしていないかという問いかけでした。企業は「ビジネス」に注力すべきであり、「データ」を追いかけることに注力しているのであれば、バランスを切り替える必要があるというのです。

そんなの当たり前じゃないか、と思う人もいるかもしれません。しかし、デジタルマーケティングの現場は膨大な作業に追われています。タグの設置や管理、データの収集、再集計、レポーティングは非常に手間のかかる作業です。そして、マルチデバイス化、マルチスクリーン化が進むにつれて、レポートの作成やレポートから得た方策の検討の難易度は従来よりも上がっています。

Kaushik氏は、タグの管理やレポーティングばかりに注力するのではなく、ビジネス価値の視点から、それらをいかにマーケティングに取り込むか、いかにマーケティングインサイトを発見していくかを、アナリティクス担当者が展開していくことを強く提案しました。
レポーティングに有効なビジュアライゼーションツール
このセッションでは、社内や経営陣への分析結果の報告を助けてくれる、ありがたいビジュアライゼーションツールの紹介もありました。ビジネスをデータによってドライブするためには、わかりやすいレポート作成を迅速に行うことも重要な要素となります。
そのひとつ、D3.jsは、データに基づく文書操作を可能にするJavaScriptのライブラリです。D3はHTMLやSVG、CSSを使ってデータを視覚化し、ブラウザに表示することができます。その表現は非常に多彩、基本的なグラフやバブル、地図表現だけでなく、Streamgraph、Chord Diagram、Sequences sunburst など、ユニークなビジュアラゼーションも可能です。
※編集部注: 「D3.js」に興味がある人は、MarkeZineの兄弟サイトCodeZineの記事「D3.jsを使ったデータビジュアライゼーション」をご覧ください。