Facebookを介した新たなCRM
「カスタムオーディエンス」機能のメリットとして特に大きいのは、Facebookユーザーの中の既存顧客を特定できることです。これまでは、一度商品を購入した顧客に対しメールでのCRMが中心となっていました。しかし、広告主からの一方的なプッシュ型のコミュニケーションではユーザーの反応が鈍ってきている現状があります。

Facebookはユーザーが日常的かつ能動的にアクセスしていて、そこに伝えたいメッセージを差し込むことは一つの新しいコミュニケーションのチャネルの役割を果たします。さらに、ステップメール同様に、「購入から7日間まで」「7日間以降」など期間指定でコミュニケーションを設計することも可能です。もちろんこのとき、年齢や性別などのターゲティングを組み合わせることもできます。
つまり、ユーザーのステータスに合わせて、広告主が発信するメッセージを細かく変えていくことで、LTVを上げていくことが可能となるのです。
「ソーシャルログイン」の重要性
今後のソーシャルメディアにおける展開として、「カスタムオーディエンス」機能を有効に利用することはLTVを上げるための非常に重要な要素です。そのために広告主とのデータベースの照合率が肝となってきます。
現状、「カスタムオーディエンス」機能を利用する際に、広告主のデータベースとFacebookのデータベースのメールアドレスにおける照合率は、平均20%前後です。ただしこの照合率は、広告主のデータベースによってかなりのばらつきがあります。
照合率を上げるためにおすすめしている方法が、「ソーシャルログイン」です。例えば、新規顧客がFacebook広告からサイトに来訪し購入する際に、「Facebookログインで購入」というフローを用意するということです。
「Facebookログイン」で購入する際には、氏名、メールアドレスなどFacebookに登録しているデータを利用することができるため、ユーザーも入力フォームに入れる項目が減り、ユーザーはより簡単に、スピーディーに購入ができます。さらに、クレジットカード番号まで紐づけてデータベースを構築すれば、リピート購入の際にも「Facebookログイン」すればワンクリックで購入が可能です。
さらに「Facebookログイン」で購入した場合、広告主はFacebookのユーザーIDを取得できるため、Facebookでユーザーを確実に特定することが可能です。つまり、「カスタムオーディエンス」における照合率を高めることにつながり、より多くのユーザーに、より密接なアプローチが可能となるのです。
この「ソーシャルログイン」機能を用いて購入することは、クライアント側にもユーザー側にもメリットが大きいため、今後ソーシャルメディアを活用していく上で非常に重要な要素となっていくでしょう。