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世界3大SSP「PubMatic」いよいよローンチ。急拡大するプログラマティックな広告取引市場を取り逃すな!

プログラマティックな広告取引が純広告の売上に与える影響

――それに加えて、「自社のオーディエンスデータを守りたい」「プログラマティックな広告取引を導入することで純広告が売れなくなるのではないか」といった不安もメディアは抱えていると思います。

Rob氏:「それらに関しても、日本のメディアに限ったことではなく、世界中のメディアが共通して持っている不安です。PubMaticにおいて、オーディエンスデータを活用できるのは、そのデータを保持しているファーストパーティーであるメディアだけです。

 そして、RTBなどのプログラマティックな広告取引を始めることで純広告が売れなくなる・売上が減ってしまうという不安に関して申し上げたいのは、純広告で売っていた枠を全てプログラマティックな運用に変えてしまうわけではなく、どの部分の在庫を、RTBなどのプログラマティックに運用するか、もしくはある金額を目指して、その金額の案件に関してどう運用したいか、といったコントロールはもちろんできます。

 加えて、例えば広告主が純広告よりもRTBで広告在庫を買ったほうが安いのではないか、という状況になったとしましょう。それがメディアにまったく見えておらず、気付いた時には広告主がそちらにシフトしてしまっている状況が起きると非常に困ることは理解できます。

 ただ、プログラマティックな運用をすると、それがわからなくなるわけではありません。どの広告主が、どういった金額で入札してきているか、そこはきちんと把握することができるので、例えばこの金額であればこの広告主の広告は出さない、という選択もメディアはできます」

(左)PubMatic社 Global Chief Revenue Officer Rob Jonas氏
(中央)ソネット・メディア・ネットワークス株式会社 代表取締役社長 地引剛史氏
(右)PubMatic社 Vice President, Asia-Pacific Jason Barnes氏

Rob氏:「また海外市場の動向をみると、実は広告主の予算は、純広告の予算とRTBなどのプログラマティックな広告予算は完全に分かれていることがわかっています。双方を買い付ける広告主はいますが、それぞれ別々の予算として取り扱っている広告主が大半です。なので純広告の予算がすべてプログラマティックなものにシフトしてしまうわけではありません」

Jason氏:「プログラマティックな広告取引の市場は、日本においても、グローバル市場と同様に、今後もさらに拡大していきます。『RTBを取り入れることで、純広告の予算がとられてしまうのではないか』というところで足踏みをしてしまっていると、逆にその成長しているマーケットに乗り遅れてしまう可能性があります。

 少し視点を変えて、成長していくマーケットを取り逃さないためにもテクノロジーを活用していくべきだと思います。その視点を持つことで、不安を払しょくし、テクノロジー活用に一歩踏み出すきっかけになるでしょう」

急拡大するプログラマティックな広告取引市場を取り逃すな

――最後に日本のメディアに向けて、アドバイスをお願いします。

Rob氏:「日本におけるプログラマティックな広告取引の市場は、今後2~3年のうちに大きく成長していきます。その2~3年後の状況に備えて、どういったストラテジーで、どのようなテクノロジーを導入すべきか、その準備を今から開始していくべきです。

 そして、従来通りのソリューションの枠組みの中での完成度を求めているだけでは、新しい波に乗り遅れてしまうかもしれません。今、少しチャレンジをして、新たなテクノロジーの活用に一歩踏み出していただければと思います」

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

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2014/05/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/19850

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