Googleの革新性はどこに?
最初の質問は、ちょうど前日にヤフーが発表した、新コンセプト「oneSearch」にもとづく、ソフトバンクモバイル向けのモバイル検索サービスに関する質問から始まった。Googleモバイルと同様、各種検索結果をまとめて表示するなどの類似性について問われると、徳生氏は「似ているかどうかというよりも、やはりモバイルユーザーはこういうサービスを求めているんだと感じた」と回答。Googleのモバイルサービスの方向性は間違っていないという自信を深めたようだ。
また、携帯向けのGoogleニュースを見たところ、ニュースソースの数がPC向けサービスよりも少ないのではという指摘に対しては、携帯向けのニュースサイトは有料のものが多いので、それを打開していくのは今後の課題だとした。さらに、新インターフェイスがさまざまな検索結果を表示することについて、パケット定額サービスの利用者ではないライトユーザーなどにとって負担となるのではないか、たとえば画像の検索結果はいらないなどの選択はできないのかという質問については、それらについては対応していきたいと答えた。
質疑応答の後半には、厳しい指摘も出た。今後のモバイル市場では、通話からデータアクセス、あるいはAdSenseなどの広告モデルによるビジネスの増加が想定されるなかで、今回発表されたユーザー・インターフェイスを見ても、いまひとつGoogleとしての革新性が感じられない、という指摘がそれだ。その答が噂されているGoogle Phoneなのかは別にして、キャリアの意図や技術的要因はあるにしても、それを超えていくような新しい携帯向けの標準プラットフォームをGoogle自身が作り出し、それをもとに新しいユーザー・インターフェイスの提案をしていくことはないのかという質問が投げかけられた。
Googleとしては、より多くのユーザーにサービスを提供していく方向と、より良いユーザー・インターフェイスによって、より高いユーザー・エクスペリエンスを実現する方向の2つがあるが、現在は古い端末を含めてより多くの人たちが利用できるよう、後者を犠牲にしている状況はある。しかし、プロダクトによっては、後者も追求していきたいとスタッフが回答。さらに徳生氏は「ソフトウェアをシリアスに追求していけば、ハードウェアに行き着かざるをえない」というアップルのスティーブ・ジョブスCEOの言葉を引用しながら、iPhoneが世界に与えた衝撃について認めつつ、その方向性についても真剣に受け止めたいと回答した。
徳生氏は次々と寄せられる質問に対して、「なにもかもすぐには対応できない」としながらも、気になる要望についてはホワイトボードに書きとめていた。Googleに寄せられる期待の高さを感じさせる質疑応答は、予定時間を30分もオーバーして終了した。