マイクロアドは、9月9日、同社が提供していたSSP「MicroAd AdFunnel(マイクロアド アドファネル)」を刷新し、スマートフォンメディアの収益向上機能を大幅に強化したSSP「MicroAd COMPASS(マイクロアド コンパス)」をリリースした。2014年12月までに日本国内のPC、スマートフォンの両デバイスサイトにおいて500億インプレッションのネットワーク拡大を目指す。
「MicroAd COMPASS」は、特許出願中のフルフラットオークション機能を搭載。媒体社の広告管理を自動化し、収益の最大化を実現する。またファンコミュニケーションズのスマートフォン向け運用型アドネットワーク「nend(ネンド)」との広告在庫連携を行い、広告配信を受けることができる。さらに同社が提供するDSP「MicroAd BLADE」とあらかじめ接続されており、利用開始時点でアドネットワークとRTB広告の収益最適配信ができる。広告収益としてすでに利用しているアドネットワークサービスも「MicroAd COMPASS」経由で広告配信することで、フルフラットオークション環境を構築することも可能だ。
フルフラットオークション機能:アドネットワーク広告、DSPより提供されるRTB広告、メディア運営者が独自に販売・運営する純広告などを一元的に管理し、最も収益が高い広告をリアルタイムで自動抽出し広告収益を最大化するもの。
今後は、RTB広告取引において市場の拡大が期待されているデータマネージメントや、プライベートオークションなどの対応を順次実装してゆく見込み。グローバル展開においては、マイクロアドの海外拠点へと順次展開をし、海外のアドネットワークサービスやDSP事業社との接続を推進していくという。そしてこの度の発表に伴い、同社 SSP事業部 部長の立石誠氏にインタビューを行った。
――今回の刷新に伴い、「MicroAd COMPASS」ではスマートフォンメディアの収益向上機能を大幅に強化したということですが、具体的にはどのような点でしょうか?
「スマートフォン広告において、まだRTB市場は十分に育っておらず、いまだにアドネットワークのシェアがとても高い状況です。我々としてはアドネットワークと連携し、アドネットワークと提携しているRTB広告をフルフラットオークション機能で取り扱うことで、収益向上に大きく貢献していきます」
――スマートフォン広告市場において、アドネットワーク優勢の時代はいつまで続くと思われますか?
「今年に入ってから、弊社においてもスマートフォンのターゲティング広告の売上は格段に伸長しています。アドネットワークと比較して、RTB広告の方が収益還元が高いとされていますし、おそらく半年もすれば同程度には追いつけるのでは」
――最後に新サービスに込めた思いを教えて下さい。
「これまで多くのベンダーが、SSPを導入すれば手間をかけずに、収益を最大化できるとうたってきましたが、実際はなかなかそうなってはいませんでした。結局はメディア企業は複数のSSPを使い比べて運用しており、現場の労力は変わっていない状況でした。純広告は今までのサーバーを使い、余った在庫をSSPでマネタイズする、という考え方自体が今の市場にそもそもマッチしていません。イチから業務を見直し、全体の収益を上げていくべき。メディア企業の広告運用業務自体を啓蒙し、収益向上に貢献していきたいですね」
【関連記事】
・マイクロアドとベクトル、合弁会社設立~アドテクとPRを融合した新ネイティブアドサービス共同展開
・マイクロアド子会社、インドネシアでファッションEC関連事業へ参入~三井物産との協業も視野に
・DNP、マイクロアドデジタルサイネージと業務提携
・2013年のRTB経由ディスプレイ広告市場規模、前年比153%の392億円【マイクロアド調査】
・マイクロアド、バス車内・バス停へのデジタルサイネージ広告配信実験を実施