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MarkeZine Day 2015 Spring(PR)

限られたマーケティング予算・体制で効果を最大化!ECスマホサイトのグロースハック実践事例

 2015年3月17日に開催された「MarkeZine Day 2015 Spring」。ランチタイムセッションに登壇したのは、株式会社アイスリーデザイン ソリューションプランニンググループ マネージャー 斉藤 隆祐氏。モバイル・マーケティングのリーディングカンパニーとして、数々の企業を支援してきた同社が導き出したグロースハック成功への道とは? 顧客事例に基づきながらグロースハックの実現方法が披露された。

限られたマーケティング予算の中で、いかに外部環境の変化に対応していくか

 スマートフォン領域における企業のマーケティング活動を支援しているアイスリーデザイン。同社は先日、毎年スペインで開かれているモバイル関連の見本市「Mobile World Congress」に出展し、多くの気付きを得てきたという。「最先端のスマートフォン(以下、スマホ)やウェアラブルデバイスを目にし、デバイスの進化はまだまだ止まらないと感じた」と同社 ソリューションプランニンググループ マネージャーの斉藤隆祐氏は語る。

株式会社アイスリーデザイン ソリューションプランニンググループ マネージャー 斉藤隆祐氏

 「今日の市場を牽引しているAppleは、2年ごとにiPhoneのメジャーなバージョンアップをしています。解像度やネットワークのスピードはそのたびに進化しており、それに追随するように各社も新しいデバイスを市場に投入しています。また、通信回線も3年ごとに10倍の速度を実現しています。改めてモバイルの向かっている方向を整理すると、デバイスの多様化とハイスペック化、そして通信の高速化でしょう。

 こうしたデバイスや通信回線の進化によって、コンテンツをリッチ化できるメリットがある一方で、そうした外部環境の変化にあわせて対応していくことは容易ではない。マーケティング予算をなかなか増やせないという現実に向き合いながら、限られた予算の中で成果を上げ続けるにはどうすればいいのか、ご紹介していきましょう」(斉藤氏)

グロースハックを成功に導く方程式

 限られた予算・体制で、いかに成果を最大化するか。これは長年にわたってマーケターが向き合ってきた課題の一つだ。その一方で、昨今ではテクノロジーの発達に伴い、従来のリスティング/SEM、SEOといった施策に加えて、FacebookやTwitter等のプラットフォームを活用したソーシャルメディアマーケティング、DSP/SSPやDMPといったアドテクノロジーを活用した施策、オウンドメディアの隆盛と共に注目が集まるコンテンツマーケティングなど、マーケティング手法は多様化している。新たな効果の良い施策を求めて様々な手法に挑戦し、試行錯誤を繰り返しているマーケターは多いだろう。

 また集客手法だけでなく、サイト改善のための分析手法も多様化しており、最近注目を集めているのは「グロースハック」というキーワードだ。言い換えれば、A/Bテストを高速で回し、改善を積み重ねていくことだが、多くのECサイトを支援してきた同社は、グロースハックの成功方程式を、次のように導き出した。

 「目的がLPO(Landing Page Optimization)だけであれば、CVRを上げればいいという単純な話ですが、ECサイトにおける最終的な目的はCVRだけでなく、RPV(Revenue Per Visitor:一人当たり売上高)を見ていく必要があります。集客にお金がかかったとしても、RPVを軸として見ていくことで、投じた費用を最大限に回収できるようになります。弊社のグロースハックでは、CVRとRPVという2つのKPIに着目しながら、売上向上の支援をしています」と斉藤氏は説き、ECサイトにおけるグロースハックの定石として、次の図を提示した。

 「ECサイトでは、ユーザーがサイトに入ってくる経路は、トップページとは限りません。まずは閲覧数が多い場所を、次にボトルネックになっている箇所、そして最後にCVRに近い場所という順に、テスト項目を絞って改善を進めていくことがポイントとなります」(斉藤氏)

CVR17.5%向上!ファッションECサイトのグロースハック成功事例

 では、同社がグロースハックのソリューションサービス「GOMOBILE」で培った実績をもとに、いよいよ事例の紹介に入っていこう。

 ファッションアイテムを販売しているベイクルーズの「Style Cruise」。まずはカート周りのA/Bテストから着手した。「カートに入る」ということは、「購入の意思があるにもかかわらず、実際は多くの離脱が見られた」ということで、まずは上部にあったメニューを削除した。加えて、購入ボタンがスクロールしないと出てこない状態だったため、上部にボタンを追加した。これにより、CVRが17.5%向上した。

ステップ1:カート周りのA/Bテスト

 次に、商品詳細ページに着手。一人当たりの売上を上げるために、関連商品の見せ方を変えた。ECのキモのひとつとなるのが、回遊による“ついで買い”。これを促進させるために、スライドしないとすべての関連商品が見られない状態から、一度ですべてを見せるUIへと変更した。これにより、RPVが8.5%向上した。

ステップ2:商品/スナップの回遊性A/Bテスト

 最後はトップページ。「ランキング」と「スナップ」と「新着商品」をタブで切り替えて見せるAパターンと、スクロールさせてすべてを一覧で見せるBパターンを用意し、遷移率の違いを測定した。結果、Bパターンの方が遷移率が31%高くなった

ステップ3:トップからの遷移A/Bテスト

 「iPhone6では画面サイズが大幅に大きくなっているため、ファーストビューで見せられる情報を増やしても、ユーザーが感じるストレスは少ないです。通信速度の高速化によって、画像サイズも大きくできるようになってきているので、こうした外部環境の変化に合わせてUIを変えていくことが大切です」と斉藤氏は解説する。

PV数と購入CVRを同時に向上!キヤノンの写真共有サイト事例

 そして3つ目の事例は、キヤノンマーケティングジャパンの「with Photo」だ。「with Photo」は純粋なECではなく写真共有サイトだが、スマホから写真のプリントを注文する機能も持ち合わせている。カートへの遷移率が悪いこと、またアルバムの回遊性がないという悩みを抱えていた。カートへの導線が弱かったので、カートのメニューからガラッと変更した。すると、以前はスマホからの購入者はほぼゼロに近かったが、改善後はカートへの遷移が発生するようになった。そして課題であったアルバムのPV数とプリント購入のCVRも向上した。

グロースハックを成功させる体制づくりを

 「グロースハックには体制が重要だ」と語る斉藤氏。Web担当者は1,000万PVあるようなサイトでも、1~3人で回しているところがほとんどで、その担当者が集客も含めてサイトの運営をしているのが現状だ。実際のところ、「グロースハックまではとても手が回らない」というのが実情だろう。

 「グロースハックは、泥臭い小さな改善を繰り返し続けていくものなので、事業会社のマーケターが時間を割くようなものではないと思っています。マーケターは、もっと大局的な戦略や、社内で他部署と調整しながらサイトの改善をしていくところに注力すべき。ボタンの位置がどうとかいった細かいところは、私たちプロにお任せいただくのが一番良いのではないでしょうか」と語り、Web担当者を追加で1人採用するよりも安価な価格で、デザイン・コーダー・エンジニア・アクセス解析のチームを編成できる「GOMOBILE」の利点を説いた。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&a...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/04/20 10:00 https://markezine.jp/article/detail/22196