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「世の中から卒業をなくす」ためにスクーが進めるUX4軸の拡充と、トライ&エラー


 コミュニケーション型動画学習サービス「schoo WEB campus」を運営するスクーは、2011年12月の開始から様々な取り組みを続け、現在約15万人の会員を抱えるまでに成長しています。そして、2014年度には学部システムの導入、企業向け研修サービスの開始など新たな試みを開始しました。今回、同社代表取締役社長 森健志郎氏にこれまでの取り組みの狙いと、今後の展開について聞きました。

スクーが掲げる「UX4軸」

 株式会社スクーが運営するコミュニケーション型動画学習サービスschoo(スクー)WEB-campus」(以下、スクー)は、2011年12月の開始より、有料サービスであるプレミアム学生プランの導入、大学とのコンテンツ連携など様々な試みを続け、現在約15万人の会員を抱えるまでに成長しています。そして、2014年6月には学部システムの導入、2015年3月には企業向け研修サービスの開始など新たな取り組みを開始しました。今回、同社代表取締役社長 森健志郎氏にこれまでの取り組みの狙いと、今後の展開について聞きました。

株式会社スクー代表取締役社長 森健志郎氏
株式会社スクー代表取締役社長 森健志郎氏

――スクーは2014年の6月に学部システムを導入されました。それまではたくさんの講義から、利用者(以下、学生)が受けたいものを自由にピックアップする仕組みだったかと思います。カリキュラムを提案する学部を始めた狙いは何でしょうか。

森氏:私たちは、人は体験に価値を感じると考えています。その考えのもと創業の頃から、スクーが提供したい体験としてUX4軸というものを社内で共有しています。学部を始めたのは、主に、2軸目と3軸目を強化するためです。

 スクーのUX4軸

  1. たくさんの楽しく学べるコンテンツ
  2. 自分にふさわしいコンテンツに出逢えるしくみ
  3. 共通のなにかでつながった仲間
  4. 学校外で起こる実世界との強いリンク

 スクーのサービスを使えば、自分にピッタリの講義や仲間と出会い続けられる。しかも、学んだ分だけ実生活に変化をもたらすことができる。それが私たちの目指すかたちです。しかし、立ち上げ当時は当然ながらコンテンツがなかった。ですから、まずは優良なコンテンツが集まる環境づくりを始めました。コンテンツの拡充に合わせて、ユーザーにとって価値のある体験を提供できているか確かめるために、有料会員制度も導入しました。

 そしてマネタイズも軌道に乗ったので、ある程度「むちゃくちゃ学べるコンテンツ」が揃ってきたと判断をしました。となると、次に打つべき施策は「一つの講義を受けたら次の講義に出会えるようになって、同じ学習志向性を持つ仲間とのコミュニケーション」を活性させるためのものです。そこで学部システムを導入しました。

――学生同士のコミュニケーションとは、どのようなものですか?

森氏:2種類あります。一つは直接的なものです。例えば、学部にはグループ機能が存在します。これは、平たく言うと有志の勉強会のようなものです。ある学部生が「カリキュラムの3番目のあの操作がどうしてもできない」といった投稿を行うと、他の学部生がアドバイスをしてくれます。Eラーニングは一人で行うものなので、途中でつまずくとそこで止まってしまう可能性があります。直接やりとりをすることで、きちんと次のステップに進むことが期待できます。グループによっては、1,000人以上がアクティブに投稿して活発なコミュニケーションをとっています。

学生同士がグループで自由にやり取りができる
学生同士がグループで自由にやり取りができる

 2つ目がゆるいコミュニケーションです。スクーの講義画面にはタイムラインがあって、受講しながらコメントや質問を書き込むことができます。そして、コメントの横にはソーシャルメディアのように、アイコンが表示されます。すると、「あ、この人また同じ講義受けてるな」とか、「今日はあの人いないな」とか感じるようになってくる。

 特に、学部生は興味関心の近い人が多いので、受講する講義が重複する傾向があります。学生からすれば、何となく顔見知りの人が授業に出ている感覚に近いと思います。そうなると、リアルの学校と同様のモチベーションの維持が可能です。「今日は何かやる気出ないけど、あいつらは勉強するだろうな。じゃあ頑張ろうかな」みたいなやつです(笑)。

 コミュニケーション施策が全面的な影響だとは言えませんが、継続率にも影響があるように感じます。デザイナー学部と非学部の講義ではPVに4倍ほど差が出ています。また、サービス全体のWAU(ウィークリーアクティブユーザー)も3倍ほど差があり、継続率にも大きな差があります。インターネットでの学びが孤独な学びでない点は、継続の一因になっていると考えています。

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。2013年までは書籍の編集をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/04/07 19:43 https://markezine.jp/article/detail/22229

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