「BrandSafe はてな」でCPAを半減できる理由
検証が行われたのは今年の3月のこと。エンジニア向け派遣求人サイト「ITスタッフィング」を運営するリクルートスタッフィングが、広告配信に当たり「BrandSafe はてな for FreakOut」の使用あり・なしで、効果に違いがあるかを見ることになった。結果からいうと、「BrandSafe はてな for FreakOut」を使用した場合、未使用と比べてCPAが約50%に半減したという。
理由としては、「BrandSafe はてな for FreakOut」では、まとめサイトや違法アップロードサイトなどが排除されていること。大久保氏によると、これらのサイトは誤クリックを誘導しやすい作りになっており、CPAを上げる原因になっているという。「そのため、単純にCTRで見た場合は、『BrandSafe はてな for FreakOut』未使用の広告の方が高いのは確かです。ただし最終的なコンバージョンもCPAも、ツール使用ありの方が断然良いという結果が出ました」と大久保氏。なお、ITスタッフィングの運営担当者は、この結果により、現在は「BrandSafe はてな for FreakOut」のみを経由して広告配信を行なっているそうだ。
大久保氏はこうした結果を踏まえ、アドベリフィケーションを「自社の広告をコントロールし、無駄なく効率的に広告配信すること」と定義している。便利であるが、広告主の意思で制御できないDSPという仕組みの中で、「BrandSafe はてな」により、ブランド毀損することなく、より効果が高い広告配信が可能になるからだ。これにより、「テレビCMや新聞・雑誌広告と同じく、インターネット広告にも企業が適切に投資できるような社会になればいいと思っています」(大久保氏)という。
アドテク専門チームも発足/広告主と媒体社に収益を還元する新たな仕組みをつくる
はてなといえば、はてなブックマーク以外にも、「はてなブログ」や「人力検索はてな」など、どちらかといえばエンドユーザー向けのインターネットサービスというイメージがある。実ははてなは、これまで培ってきた技術やノウハウを生かした企業支援も行なっており、また同社が運営するニュースサイト「はてなニュース」では安定した記事広告出稿の実績を持つなど、企業支援や広告事業でも大きな収益を上げている。企業支援でいえば、昨年開始したオウンドメディア構築サービス『はてなブログMedia』があるし、はてなブックマーク上では、ネイティブアド事業が好調だ。こうしたノウハウをすべて「インターネットの世界に還元したい」というのがはてなの目指す理念で、アドベリについても、この理念の延長線上で開発されたものだ。もちろん理念だけではなく、種々のインターネットサービスを開発する中で培った技術に裏打ちされている。(はてなブログMediaに関する記事はこちら)
はてなでは、「BrandSafe はてな」のリリースに合わせ、アドテク専門チームも発足させている。「BrandSafe はてな」に続くソリューションは「絶賛開発中」(大久保氏)とのことだが、リターゲティングを始め、広告主と媒体社の収益に還元する新たな仕組み開発に余念がないそうだ。前述のような、「大震災の報道ニュースの横に、住宅メーカーの広告が出ていた」などの、広告主にとってネガティブなコンテンツに広告を表示しないための技術開発も進めているという。
「ネット広告を始め、インターネット世界の健全化が保たれない限り、ユーザーの世界も守られません。はてなは、インターネットサービスをけん引してきたその恩恵を、インターネット世界の健全化に向けて還元したいと考えています」と大久保氏は語った。