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モバイル動画広告プラットフォーム「FIVE」の菅野氏に聞く、若者の情報消費の感性と変わるべき広告の形


動画広告にA/Bテストの概念を

有園:他にもFIVEの特徴ってありますか?

菅野:モバイル動画広告では、やはり、これまでのデジタル広告と比較するとクリエイティブの重要度が非常に高いと思っています。現在のところは、静止画バナーを代替するようなスーパーショートビデオを何パターンか作りそれを運用的に効果の良いものを残していくというアプローチをとっています。

有園:それは動画のA/Bテストですか?

菅野:そうです。例えば、広告主がゲームアプリのプロモーションをするとき、これまではバナーでインストールを促すキャンペーンをしてきました。バナー広告やテキスト広告では、当たり前のようにクリエイティブのA/Bテストをします。実際、それは重要な領域だと思いますが、動画の場合は、なぜか作ったものを、そのまま流すという発想になりがちです。

 これって、動画の制作プロセスが、これまでは「完パケ主義」だったからだと考えています。クオリティの高い映像を一つ作って、みんなに見てもらうというアプローチです。テレビのようなリーチメディアでは皆が同じ広告を体験するという同期的なコミュニケーションが成立する世界だと思いますが、映像の制作プロセスが多様化する中で、それとは違った動画の捉え方もあると思っています。

 先ほどのゲームのプロモーションであれば、訴求軸、例えばキャラクターを見せた方がよいのか、ゲームの操作シーンを見せた方がよいのか、オープニングムービーの綺麗なところを見せた方がよいのか、それに加えるBGMはどういったものがよいのか、テロップを乗せる場合はどんなコピーがいいのか。そういった要素を分解して複数のキャンペーンを配信したりしています。いろいろな方法論を模索していますが、5秒間なので、そういったトライがしやすいというのはありますね。

有園:編集でいくつも作れてしまうってことですよね。5秒動画を3本とか4本とか用意して入稿して、スマートフォンの動画広告枠で動画が流れて、5本作ったら5本ずつローテーションで流れるような仕組みになっているのですか?

菅野:はい、そうです。

有園:動画広告の制作は御社でも行うのですか?

菅野:はい、FIVEではクリエイティブのバックグラウンドをもったメンバーがディレクションも行います。モバイル動画広告にまつわるテクノロジーとクリエイティブ両輪でサービスを提供する会社と位置付けています。また、パートナーの制作会社と組んで、僕らも過去の蓄積をもとに、「こういったパターンはこうすると上手くいく」とノウハウを一緒に蓄積しながら、提案させていただくといったアプローチをとることも多いです。

 でも、極端な話、コミュニティで人気なユーザーがスマートフォンで自撮りした動画を、そのまま広告に使ったらよかったねという話が、ひょっとしたら出てくるかもしれません。その辺の裾野が広がっているところを、なるべく僕らとしてはいろんなチャレンジをして、実際に数字で見ていくのがよいのかなと思っています。実際、プレミアム動画広告では、メディアごとにクリエイティブを企画制作した結果、非常に成功したキャンペーンも出てきています。しかもこれは5秒短尺にかぎらず、です。

有園:それだけ裾野が広がっているわけなので、そこにビジネスチャンスがあるということですよね。

菅野:そうですね。広告の作り方も、いろいろなパターンが出てくるのではないかと思っています。

有園:今後はどのような展開を予定されているのですか。

菅野:ネットワークの方は配信量が急激に成長してきているので、引き続きネットワークの質を保ちながら規模を広げていくことが主要な課題です。僕らのプロダクトも順次アップデートしており、直近でもわりと大きなアップデートがありました。それをベースに広告効果も高めながらリーチを増やしていくのが、一つ大きなチャレンジかなと思っています。また、プレミアム動画広告についても、MixChannelは一つの事例ですが、こうした取り組みを広げていこうと考えています。実際、今度はGMO MEDIAさんとの提携が決定しており、320万MAU規模でのプレミアム動画広告の販売を間もなく開始します。

有園:ところで案件は代理店さん経由で入ってくるのですか?それとも直接ですか?

菅野:FIVE VIDEO NETWORKについて言えば、いまは比較的アプリのプロモーションが多いので、ネット専業代理店さんだったり、あとはトライアルの時から直でやらせていただいているような広告主さまもいらっしゃって、両方という感じですね。

有園:50対50くらいですか?

菅野:今は代理店さんからの商流が増えました。MixChannelをはじめとしたプレミアム広告では事例作りを一生懸命やっていて、トライアル期はしばらく直接の取り組みが続きました。現在は代理店・メディアレップさんを通じての商流がしっかりできてきたので、7月以降はナショナルクライアントを中心に満稿状態が続いています。MixChannelについては、まずはプレミアム動画広告としては立ち上がったイメージです。

有園:なるほど。急成長しているようで、今後が楽しみですね。今日はありがとうございました。

本記事は「Unyoo.JP」の記事『急成長するtheTradeDesk、日本始動』を要約・編集したものです。長編のオリジナルコンテンツを読みたい方は、こちらをご覧ください!

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:19 https://markezine.jp/article/detail/22780

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