モニターが自由公募であることの弱点
アレクサの場合、モニターはツールバーを入れたユーザだとわかっているわけですから、このテレビ視聴率の事件よりもずっと簡単に操作ができてしまいます。既存のモニター(ツールバーユーザ)を買収することもできますし、そもそもツールバーは無料で誰でもインストールできるのですから、買収なんかしなくても、自分の影響が及ぶユーザに対してどんどんツールバーのインストールをお願いすればいいのです。
1. サイト運営者自身が、アレクサツールバーを関係者やヘビーユーザに薦める
一般のサイトでは、1万人に一人がアレクサツールバーを入れているとします。ちょっと乱暴な簡略化ですけど、月に1万人がサイトに訪問すれば、そのうち一人のアクセスがアレクサにカウントされるでしょう。
しかし、サイトの持ち主がアレクサツールバーの紹介をして、アレクサツールバーのインストールを呼びかけるなどして、そのサイトのユーザの1000人に一人がツールバーを入れていたらどうでしょう?
一般のサイトに比べて、アレクサの統計データに出てくる数値に10倍大きな影響を与えることでしょう。そして、そのユーザは元々そのサイトの読者だったのですから、継続的にそのサイトを訪れる可能性が高く、結果的にそのサイトの統計が実力よりも大きく出てしまいます。

前回ご紹介した、Matt Cutts氏のブログの例はまさにこれですね。あの例ではMatt Cutts氏がAlexa Toolbarのインストールを薦めたわけではありませんが、逆にブログ等でアレクサ・ツールバーのインストールを何度も推薦することで、アレクサのランキングを本来の実力よりも上げてしまうことは可能です。
また、Alexaのウィジェットを貼ると順位があがる、という噂も流れていますが、これは貼ることが直接順位を上げるわけではなく、ウィジェットを見て、ウィジェットからAlexaのサイトに行き、ツールバーをインストールする人が出るからでしょう。自分のサイトの固定ファンにAlexaツールバーを入れさせるという意味では、比較的消極的な方法ですが現象は同じです。