従来型プライベートDMPは競合ではなくパートナー
後編のインタビュー記事でも詳しく記載するが、ティリウム社のセールスエンジニアバイス プレジデント のクリス・スロバック氏は「ティリウムにとってプライベートDMPは競合ではない」と言い切る。
むしろ従来型プライベートDMPに(彼らの言葉を借りると)オーバーラップするというのだ。顧客側ですでに構築・運用されている従来型プライベートDMPによって取得できている貴重なデータを、リアルタイム性やデータ連携など彼らが苦手だった領域をティリウムが担当することで最大限活用できるようになるのだ、とスロバック氏は言う。
セールスエンジニアバイス プレジデント スロバック氏
ティリウムはタグマネジメントを通じていとも簡単に各種データを統合・管理することができるが、それだけにとどまらない。従来のプライベートDMPよりも、シームレスかつ柔軟にアクション発動を制御できるのだと言う。
「どんなユーザーに、どのアクションを、いつするのか?」というマーケティングアウトプットまでハンドリングしやすくしてくれる。しかもリアルタイム性を担保しながらである。
データを貯めたはいいが次になにをしたらよいのか? ということに行きづまることも少なくなかった従来型プライベートDMPの弱点を見事にカバーしている。
どんなユーザーに、どのアクションを、いつするのか?
ティリウムではユーザーをタイプ別に分けるのに、充分すぎるほどのデータを集めることができる。「どんなユーザーに?」というセグメント定義をありとあらゆるデータでもって設定することができる。それらのデータを使い、例えば次のようなセグメントを作成・管理することができる。
- メール配信に最近反応していない高額購入者
- ジュエリーカテゴリを4回以上閲覧しているカート放棄者
- ソーシャルで自社へのロイヤルティが高いが購入金額が低いユーザー

ティリウムは作成したセグメントに対して、マーケティングアクションまで制御することができる。そして、タグマネジメント配下にあるタグの発動やAPIの指令によって、マーケティングアウトプットのハブの役割も担う。
特にタグを経由してアクションを発動させるパーソナライズ表示やリアルタイムオファー、A/Bテストなどにおいては、シームレスかつ即時対応ができ、もちろんメール配信などもAPIを通じて遅延なく発動指示を送ることが可能だ。
ティリウムの場合、定期バッチ処理という形ではなく、タグ通信が発生した段階で「リアルタイム」でアクションツールにデータを送ることができる。このため、ユーザーごとのタイミングを逃さないリアルタイムなフォローアクションが可能となる。
マルチデバイス・オムニチャネルでのユーザー体験を提供
さらにティリウムは、マルチデバイス・オムニチャネルでのユーザー体験のコントロールができる。スロバック氏は、デスクトップとスマホ端末の両方を交互に操作して、ティリウムがどのようにその動きをキャッチできるかを実際にデモで見せてくれた。
デバイスをまたがったユーザー行動をリアルタイムに感知した結果をティリウムの管理画面上でリアルタイムに確認できた。今後はIOT分野も含めたデータ収集とマーケティングアウトプットを狙っていきたいとスロバック氏は語っていた。
ここまで、ニュータイプDMP であるティリウムのしくみと実力を解説させていただいた。後編ではサンディエゴ現地でのインタビューの模様をお届けしたい。
