2006年に手探りで始まったMarkeZineは今年、10周年を迎えます。デジタルマーケティングを軸にして、ウェブだけでなくイベントや講座を開催し、最近では定期購読誌を創刊して企業やマーケターの役に立つ情報を届けてきました。
今後、さらに事業を拡大し、より充実したコンテンツを届けていくために、新たな編集者の力が必要です。メディア編集の仕事に興味がある方は応募してみてください。編集スキルがないと不安な方でも積極的に学べる姿勢があれば、編集部では成長の機会をどんどん提供します。
MarkeZineの方針や編集部の雰囲気などを知りたい方のため、編集長の押久保剛、編集者の伊藤桃子に実際のところを聞きましたので、ぜひ参考にしてください。
MarkeZine編集長 押久保剛:次の10年を作る主役に!
デジタルファーストのマーケターを支援するメディア
MarkeZineは2006年5月にスタートし、今年の5月で10周年を迎えます。立ち上げ当時はマーケティングや広告にデジタルを活用する流れがまだそれほどなかったのですが、いまではデータドリブンが当たり前です。デジタルが主流になれば、それまでの広告/マーケティングとは違ったやり方を覚える必要があり、新しい知識やノウハウを知りたい方がたくさん出てきます。MarkeZineでは、どんどん新しい技術や手法が登場する業界で、「次のやり方」が分からないという方をサポートするために、デジタルマーケティングの最新情報を発信しています。
読者ターゲットとしては、デジタルを推進するマーケター、エージェンシー、広告を受ける側のメディア関係者、そしてマーケティング支援サービスを提供するベンダーです。それ以外にもMarkeZineを見ていただいている方はいますが、コンテンツを制作する際の軸はこの4者を想定しています。
この10年間でさまざまな方にお会いし、たくさんのご協力、ご支援をいただいてまいりましたが、それでもまだ理想とする状況には至っていません。デジタルマーケティングといえばMarkeZineと言ってもらえること、マーケターが困ったときにまずMarkeZineを想起してもらえるようになることが、我々の変わらぬ目標です。
それを達成するために、例えば今年から定期購読サービスを開始し、毎月、紙媒体の定期誌を刊行することにしました。MarkeZineをさらに成長させるため、ウェブ媒体で蓄積してきたノウハウやデータを横方向にさまざまな形で展開していく方向に舵を切ったわけです。そこで新しい人材が必要になったというのが、編集者募集の大きな理由ですね。
編集者一人一人の個性がMarkeZineを作る
雑誌やウェブメディアにはよく、名物編集長がいることがあります。そうした媒体では、編集長の個性が媒体の色になっています。それはそれで一つのやり方だと感じますが、私のスタンスは少し違います。私の編集長としての役割は媒体の根底にあるコンセプトやスタンスを守りながら、編集者一人一人の個性を引き出し束ねることだと思っています。一人でできることには限界があり、編集者個々人がそれぞれの好奇心を活かして仕事をしてもらうほうが、事業として成長するのではないかと考えているからです。
ですから、編集者から上がってきた企画は大きくピントが外れていない限り、とりあえずやってみてもらいます。その中で編集者自身が決断し、失敗や成功を経験しないと本人も成長はできません。私としては、そうした決断や判断の機会をたくさん与え、考えるきっかけを作ることで、編集者としてレベルアップしていってもらえればと思っています。やはり数をこなさないと質には繋がりませんね。そしてときどき、飛躍の機会としてちょっと難しいかもしれない仕事を任せています。
当然、編集部はチームなので、一人で仕事をしろと言っているわけではありません。私自身も知らないこと、分からないことは山ほどありますし、最終的な判断の権限はあっても、それが100%正しいとは言いきれません。そのため、チームとしての力を最大化するにはどうすればいいかと日々考えています。
個人の裁量が大きい分、自己管理能力が問われる
今回編集者を募集してはいますので、編集のスキルはあるにこしたことはありませんが、最重要項目ということでもありません。むしろ、健康で根性があり、好奇心旺盛な方が来てくれると嬉しいですね。健康というのは精神的にも肉体的にも元気だという意味ですが、そういう人は仕事を進めていくとき、いい決断ができる確率が高いと感じています。また、根性があるというのは仕事を最後までやりきれるガッツがあるということです。途中で投げ出したりいい加減な仕事をしたりすれば、読者はもちろん、広告のクライアントにも迷惑がかかってしまいます。
健康だったり根性だったり、言葉自体は精神論を思わせますが、MarkeZine編集部だけでなく翔泳社は全体的に、昔ながらの精神論とはかけ離れていると思います。例えば、有給休暇はやることができていればスケジュールを調整して自由に取ってもらって構いませんし、土日も完全に休みです。ゴールデンウィークや夏季休暇なども長いほうだと思います(2016年のGW休暇は、土日を含めると10日間となります)。残業も推奨していません。飲み会への強制参加もありませんし、服装も自由。健康的に長く勤められる環境が整っているのではないでしょうか。ただ、個人の裁量が大きい分、自己管理能力が問われるという側面も当然あります。
MarkeZineの次の10年を作る主役に
私は、自分たちのような広い意味での、実用向けコンテンツの制作に関わる編集者の仕事を端的に表現するなら「収集・整理・公開」に集約できるのではないかと、思ってます。つまり、さまざまな手段・方法を用いて情報をインプットし素材(原稿)を集め、それを自分なりに咀嚼、加工、整形し、伝えたい人に伝わるようアウトプットするという意味です。
その過程の中で、物事を多面的に見ることができると、いいコンテンツを作れるのではと感じています。そういう意味では、いままでメディアや編集という業務にあまり携わったことがなくても、いろいろな経験を重ね、さまざまな立場で物事を捉える視点を持っている方のほうが、編集者としては伸び代が大きいかもしれません。もちろん編集経験が豊富な方であれば即戦力で活躍できますし、MarkeZineという新しい環境で成長してもらえるのではないでしょうか。
MarkeZineはウェブだけでなく紙やイベント、講座などさまざまな形の事業があるので、さまざまな形のアウトプットに素直に取り組めて、楽しめる方にとってはいい職場だと思います。広告やマーケティングの知識も、仕事をしていく中で身についていきますから、強く意識しなくても構いません。
これまでの10年間は手探りの中でやってきましたが、これからの10年はその蓄積を活かして突き進んでいこうとしています。編集部のみんなが主役になることが結果的に事業の成長に繋がりますので、ぜひ次の10年を作る主役になってください!
MarkeZine編集部 伊藤桃子:いいコンテンツを出し続ける
まずはやってみるのがMarkeZine編集部
MarkeZine編集部は、編集長の押久保が「まずはやってみよう」という考え方を持っているので、何でもチャレンジができる点はとてもいいなと感じています。ウェブは結果が数値ですぐ見え、コストもあまりかからないという理由はありますが、企画の提案をするとほとんどいつもすぐにOKがもらえます。
前職はIT会社の総務だったんですが、当時は上から来た仕事をこなすだけでした。いまは自分で仕事を作ることができるので、デジタルマーケティングを軸にいろんな業界の動きを見ながら、自分の問題意識や関心を合わせて企画を立てています。これはMarkeZine編集部だけではなく、翔泳社全体に共通することです。
有給休暇はいつでも取れますし、やることをやっていればある程度の自由さが許容される環境なので、すごく働きやすいです。
肩書は編集者でも、業務は編集だけにとどまらない
業務は記事の制作ですが、MarkeZineには3種類の記事があります。ニュース記事、編集記事、タイアップ記事です。ニュース記事はさまざまなプレスリリースを見て面白そうなネタをピックアップし、要約して掲載します。編集記事は寄稿物と取材物がありますが、どちらも市場のニーズと自分の興味や関心をもとに企画を立て、誰に何を訊く(書いてもらう)のかを決めます。取材の場合は、文字起こしも構成も編集も、基本的にすべて自分で行ないます。自分が面白いと思わないといい記事にもならないので、面白さの理由はいつも深掘りしてから企画・取材をしています。
タイアップ記事は広告なので、クライアントが何を伝えたいのかを聞いて記事を制作します。ただ、広告とはいえMarkeZineのコンテンツになるので、読者が読んで面白いかどうかをベースに構成を考えて取材します。このタイアップ記事はライターとカメラマンをアサインし、編集者はその名のとおり編集だけを行なうことが多いですね。
MarkeZine Dayのプログラムの一部も編集部が担当しています。どんなテーマで誰に何を話してもらうか、編集者が企画して自分でアサインするんです。レポートももちろん作っています。
自分の興味・関心を活用できるのが編集
私はビールが好きなので、キリンビールの取材に行けたときは嬉しかったですね(笑)。消費者の目線でも面白かったんですが、仕掛ける側の戦略・マーケティングの熱量がダイレクトに伝わってきて、いい記事にしなくてはと思いました。自分の興味も反映できるのは、この仕事ならではだと思います。
MarkeZineは紙媒体も始めましたが、これはウェブを支持・信頼していただいているからこそ価値があるものです。ですから、MarkeZineの軸となるウェブでいいコンテンツを出し続けるのが変わらない目標です。その中でも、IoTなど未来を感じる記事も作っていきたいですね。