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齋藤伸也の顧客獲得!ビジネスブログ活用術

第3回 ビジネスブログは諸刃の剣? ~ビジネスブログのメリットとデメリット~

デメリット:余計な情報を発信してしまう

 一度でも利用したことがあれば、ブログによる情報発信の簡単さをよく理解されていることと思いますが、あまりにも簡単なため使い方を誤るととんでもない情報を発信してしまうというデメリットもあります。

 例えば車の運転でも、上手な人の運転なら安心して乗っていられますが、安心して乗っていられない運転者も存在しますし、交通事故を起こしてしまう可能性もあります。ブログも道具ですから、車と同じく事故のリスクはつきまといます。車は免許制度がありますが、ブログは誰でも利用できるというのがいいところでもあり、それが故にリスクを抱えることにつながっているのかもしれません。

 クリック一つで情報発信ができるブログですが、一度クリックするとトップページも書き換わり、RSSやPINGなどを通じてさまざまなところへ情報を瞬時に届けてしまいます。便利に利用しているうちはいいのですが、誤った情報でさえ瞬時に伝えてしまうのがブログです。例えば、

  • まだ発表してはいけない情報を「下書き」ではなく「公開」してしまった
  • 価格情報を誤掲載してしまった
  • 現場での出来事を見る人が見ればわかる体裁で記載してしまった
  • ちょっとした衝動から社会通念上好ましくない表現方法を利用してしまった

 などがあります。ブログのもともとの意味はWeb+logでWeblogが縮まったものですが、そもそも簡単にWebに記録をつけてくれる道具です。そのため誤った情報でさえ、Webに様々な形式で記録を残してくれます。電話や対面でのコミュニケーションであれば、「これはオフレコにしておいてください」「言い間違えました」などということも通用するかもしれませんが、ブログではしっかりと記録に残ってしまうためなかなか訂正するのが難しいということもあります。ブログは情報発信が簡単なだけに、その取扱いには最大限の注意を払わなければならないのです。

 普段は知っている人くらいにしか見られていないと思って気軽に書いているブログでさえ、その内容やタイミング次第では誰かの目に留まります。ブログを公開しているインターネットは公の場所であり、決してプライベートな空間や知り合いしかいない場所ではありません。ブログを活用する際には「インターネットは誰の目にも留まる可能性があるのだ」という点をしっかりと認識して運営していきましょう。

メリット:SEOを実現でき、集客にも効果的

 ブログはSEOに効果的ということがよく言われます。実際、気になる新製品が発表されたので検索してクリックしてみたら誰かが書いているブログだった、などという経験をされたことも多いのではないでしょうか。

 ブログを利用していれば誰がどんな記事を書いても検索結果上位に表示されるというわけではありませんが、ブログの持つ構造的な特徴が検索エンジンから評価されやすいということはあります。例えば、ブログは1記事が1ページとなり、文字(テキスト)を中心に記事が構成され、HTMLやCSSを活用した論理的な構造になっており、リンクが張り巡らされている、といったことが検索エンジンに評価されやすいポイントです。

 また、検索結果に表示されるのは基本的にページ単位です。例えばA、B、C、D、Eという事柄を書いたページがそれぞれあった場合、Aと検索すればAページが、Bと検索すればBページが表示されます。つまり、自社に訪れて欲しいユーザーの検索ニーズが多岐に亘る場合それらの言葉を網羅したページをそれぞれ作ると集客につながりやすいということが言えます。

 ブログが集客に効果的なのは、基本構造がSEOに合っていることはもちろん、いくらでもページが増やせるということが大きなメリットとしてあげられます。更新が簡単だからページが増やしやすいとも言えますが、それが結果としてSEOにも効果的に働くのです。用語集、Q&A、コラムなど形式は適材適所で構いませんが、顧客の検索ニーズに適応する記事を日々公開していく必要があると言えます。

ブログは検索エンジンに評価されやすい

 これまでの一般的なホームページは一度作るとページ数を増やすのに、その都度コストや手間が気になりましたが、ブログならば手軽に「成長するサイト」へすることができます。

 例えば、50万円のコストをかけて、合計10ページの一般的な企業サイトができたとします。新たにコストをかけてページを追加しない限りは1年後も10ぺージのままです。検索エンジンのシェアやアルゴリズム変更があまり無いと仮定すれば、インターネット上で競合他社や関連ページが増え続けていくほど、どうしても自社サイトの露出は少なくなっていきます。

 次に、ブログを導入した場合です。同じく50万円をかけて合計5ページのサイトができたとします。しかし、ブログを利用しているため自分たちで更新を頑張れば、いくらでもページが増やせます。1日1ページ増やせば1年後には370ページのサイトのできあがり、週に1ページ増やしただけでも57ページのサイトになります。

 サイトの価値はページ数だけではありませんが、特にユーザーの検索ニーズが多岐に亘るようなビジネスの場合は、ブログを導入して検索エンジンからの集客を伸ばしたり、来訪者に様々な情報を提供したりと、ブログという道具を大いに活用できるのではないでしょうか。

ホームページの場合
ブログの場合

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デメリット:集客効果を実現できない、集客のしやすさが仇となる

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この記事の著者

齋藤 伸也(サイトウ シンヤ)

有限会社イーナチュラル代表取締役、1972年北海道生まれ。大学卒業後、 不動産会社にて分譲マンションの営業やマーケティングに活躍。退職後、社会人大学院にてMBAを取得。 1998年に創業し、当初から「ホームページをできる営業マンに!」をコンセプトに、企業ホームページの 構築運営やコンサルティングを手掛ける。2002年には「いちにのさん.com」を開設し、 無料の検索エンジン順位チェックツール、アクセス解析ASP「いちにのアクセス解析」、SEOサービス等を提供する。 企業のブログ構築も数多く手掛け、ビジネスブログ情報サイト「ビジネスブログ」では企業がブログを営業やマーケティングに活用するための情報提供をしている。


著書
『その営業はもう、ホームページにまかせなさい!』、翔泳社
『ビジネスブログのつくりかた』、秀和システム

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/09/29 13:35 https://markezine.jp/article/detail/240

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