本当にモデルルームにいるかのような、臨場感
同施策、実は今回が2回目の実施。初回と比べ対応物件数も増やし、コンテンツもクライアントや読者のニーズをもとに改良を加えた。具体的には、前回最も人気だったモデルルームのコンテンツを充実させたという。
「今回は部屋間の移動が可能になりました。前回は1つの場所から360度見回すのみでしたが、部屋を移動する体験が加わることで、没入感というVRのメリットをより高めることができました。モデルルームを実際に内見するときに近い感覚をユーザーには持ってもらえると思います」(片山氏)
また、VRを使いエンターテイメント性を持たせた内覧は、「『SUUMO新築マンション』のメイン読者層との相性が良い」と佐々木氏は語る。
「情報誌を手に取るカスタマーの皆さんの検討段階は様々です。賃貸や戸建など選択肢もいくつかある中で、“新築マンションってどんな感じなんだろう?”とライトな感覚で楽しく見ていただくということを特に気を意識しました」(佐々木氏)
満足度の高い商品にするために、質と効率を両立する
VRという最新技術を使うとなると、企画から開発、実装までのコストがとてもかかるのではないか。佐々木氏に聞いたところ、社内リソースとスケジュールの効率化を意識したという。
「沢山の物件に参画いただくためには、1物件あたりにかかる労力を過度に大きくはできません。2回目の実施ということもあり、1回目のコンテンツのコストや、カスタマーの反響・インサイトなどをもとに、制作するコンテンツをぐっと絞り込んだことで、品質と利益を同時に確保できました。スケジュールも、クライアントと当社の双方の負担が最も少なくなるよう、商品企画・営業・制作で情報共有を密に行い、最適化を図りながら進めていきました」(佐々木)
また、コンテンツの質に関しては、できるだけリアルな体感にこだわったという。
「例えば、キッズルームは子供の目線を考えて少し低い位置から撮影するといったの工夫をしています。また、SUUMOスコープ本体を傾けた時の映像の動きのなめらかさなども、前回に比べグレードアップしました」(片山氏)
その他、画質も単に高画質にせず、読み込み時間とのバランスを取り、Webブラウザでも見られる基盤で制作してクライアントとの確認作業をしやすくするなど、前回比でも様々な工夫を行った。