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アドフラウド対策最前線

勘・経験・度胸で広告配信する時代の終焉/「データクオリティ」を意識したアドフラウド対策を


「データクオリティ」を高める3つのポイント

 では、実データとは具体的に何を指すのでしょうか。そこまで多くの種類はなく、先ほど例に出した検索キーワードをはじめ、デモグラフィック、行動履歴、購買履歴、GPS情報などが実データとなります。そして、ここからが「データクオリティ」の大きなポイントになります。それは確実に信頼できるデータなのか。すなわち「質」という点を考慮する必要があるのです。

 例として、デモグラフィックの信頼性とはなにかを考えてみましょう。極端ではありますが、最もクオリティが高く、最も信頼性があるのはオフラインで収集したデータです。携帯キャリアやクレジットカード会社などの保有するデータなどは、リアルの場で身分証明書を提示して登録するデータであり、精度が高いといえます。デメリットとしては、オンラインに比べて絶対量が少なく、広告配信するための契約では当然ないので、広告配信には利用できません。基本的には自社が運用するリアルなダイレクトメールなどに利用されます。

 一方で意図する、しないに関わらず、オンラインデータは「嘘が混じってしまうデータ」です。例えば、オンラインのメディアに会員登録する際、身分証を提示しなくてもいい場合が多いので、事実と異なる情報を登録するのは難しくありません。ただ、確かに「人」が実在して登録しており、かつ契約のハードルが低いこともあり、絶対量としては多くなります。

 つまりどんな種類のデータであれ、「質や信頼性にも幅がある」という認識が重要なのです。広告配信という点に限った話ですが、データクオリティを追求するポイントは3点に集約されます。この3条件を認識し、追求することがデータクオリティを高めるポイントになり、今後のトレンドとなっていくでしょう。

(1)情報が確かなものであると確証できること
(2)一定量担保していること
(3)リアルだけではく、デジタルで名寄せができること

3種類のターゲティングを組み合わせ、広告配信を最適化する

 さて、これまで述べてきた実データの有用性から、「実データのクオリティをひたすら高めていけばいいのでは」と思う人もいるかもしれませんが、そんな単純な話ではありません。例えば大規模プロモーションで、リーチとフリークエンシーが必要になる場合、世の中にそこまで質の高いデータの母数はありません。では、どのように予算のポートフォリオを組めば最適なのでしょうか。

 ポイントはターゲティング広告の考え方にあります。非常にシンプルに解釈してしまえば、ターゲティング広告にはリターゲティング、オーディエンスターゲティング、ノンターゲティングの3種類があります。

 リターゲティングはご存じの通り、サイトを訪れた人に対して、再訪してもらう目的で広告を配信し、非常に高いパフォーマンスがあります。オーディエンスターゲティングはその仕組みから、先に説明した類推データと実データの2種類に配信するかたちになります。ノンターゲティングはブロードリーチです。

 これらに対し、そもそも極力アドフラウドが起きないように、人なのか、botなのか、実データのデータクオリティはどの程度の精度を持ち合わせるべきなのか、施策終了後に検証用のデータを用意し、答え合わせをする予算は確保できているのか。そこではじめて施策を正しく分析することができ、次なるステップへとつながっていくのです。これからは勘・経験・度胸だけでは広告配信を最適化することができなくなってくるでしょう。

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ユーザー視点で見た、オプトアウト対策の重要性

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この記事の著者

小林 秀次(コバヤシ シュウジ)

Supership株式会社 データマーケティング事業部長。2000年から通信販売カタログ雑誌の編集業務を経験。その後2004年から同カタログのオンラインショッピング事業に従事。Yahoo!ショッピング、楽天市場、自社サイトの運営責任者を担当。2006年1月にオールアバウト入社。オンラインショッピング事業部門のマーケ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/05/23 17:48 https://markezine.jp/article/detail/24193

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