“うまくいかなかったケース”から学びを得る
MZ:まだ開設して間もないところですが、すでに反響が大きかった記事などはありますか?
鈴木:先ほど挙げていただいた、プロバスケットボールの「B.LEAGUE」でのデータ活用事例は、手応えがありましたね。スポーツは皆さんに身近な話題であり、意外とデータ活用が進んでいたりするので、以前から取り上げたい分野でした。バスケットボールは新興スポーツだからこそ、リーグ主導でかなり積極的な取り組みがなされていたので、思った以上に充実したお話になりました。
それから、成功事例だけでなく、うまくいかなかった話への反応も大きいと感じています。たとえば、ある企業がDMPの導入を進めていたのに、最終的にトップの意見で白紙に返ったとか……。その場合、何がいけなかったのかを紐解けば、成功させるための視点を得ることができます。そういう切り口も盛り込んでいきたいですね。
MZ:ちなみに、どのような編集体制で運営しているのですか?
鈴木:Insight for Dは、私がみているマーケティング部管轄のプロジェクトなので、マーケティング部内に編集室があり、編集主幹を含めて10名弱があたっています。今のところ、皆で手分けして社内外の取材から入稿まで行っています。以前にマーケティングソリューションブログで扱っていたような情報も含め、週に3~4本を更新しています。
データが「あって当たり前」の時代に役立つサイトへ
MZ:ヤフーとかかわりのない、純粋なデータ活用事例の記事のほうが多いですが、今おっしゃったマーケティングソリューションブログで扱っていたような情報などは、ヤフーだからこそ提供できるコンテンツですね。
鈴木:そうですね。先ほどお話ししたように、広告色が出ないようにはしていきますが、やはり当社のマルチビッグデータは他に類のない厚みがあるので、それを通した解析や施策の効果検証にはたくさんのヒントが詰まっています。当社ならではの情報も、もちろん積極的に発信していきます。
MZ:直近で力を入れていくことは?
鈴木:現状の記事は、入門・事例・市場トレンドの3カテゴリですが、近々4~5つになるよう準備中です。また、日々社内の各部署に出向いて寄稿などの話もしているので、当社の個々人の知見も加えていきます。
MZ:発足したばかりで反響が大きいとのことで、今後が楽しみですね。最後に、今後への期待をお教えください。
鈴木:当面のメインターゲットは、プロのデジタルマーケターですが、今は本当に何もしなくても企業にどんどんデータが集まってきますし、社内で関わる人もマーケターだけに限らなくなっていますよね。
データを起点にしたバリューチェーンを考えると、経営層はもちろん、あらゆる立場の方にとって何らかの気付きを得られるサイトになればと思います。データはもはや、あって当然なので、幅広い人のインスピレーションとなるような記事をどんどん発信していきます。